2021年2月14日(日)
生活立て直すための制度
ネット番組で田村政策委員長
生活保護“ハードル”打開へ議論
日本共産党の田村智子政策委員長・参院議員は12日夜放送のインターネット報道番組「ABEMA Prime」に出演し、匿名掲示板「2ちゃんねる」創設者の西村博之氏らとともに、「生活困窮者のためのセーフティーネット 理想の姿は」をテーマに、生活保護制度の問題点や打開策について議論しました。
「当たり前」に
田村氏が、コロナ禍で失業者が増える一方、生活保護受給には「いくつもハードルがある」と指摘し、国民に植え付けられた“生活保護は恥”という意識や社会的バッシングの問題を示すと、西村氏は「それは受給者が少ないからだ。多くの人がもらえば当たり前になる。みんな申請した方がいい」と即答。田村氏も「申請を広げる運動を進めていくことが必要です」と応じました。
社会問題を発信する「リディラバ」代表の安部敏樹氏は、バッシングの根拠とされている「不正受給」は微々たるものだと強調しました。
番組では、▽親族への「扶養照会」で受給を知られる▽高圧的な対応で追い返す「水際対策」―などのハードルがあり、扶養照会を行った46万件のうち、親族による援助に至ったのは1・45%(2017年の厚労省調査)にすぎないと紹介されると、西村氏は「役所の人件費の無駄だ」と指摘。田村氏は“貧困状態を知られたくない”人に申請をためらわせるのが扶養照会だとして、野党が政府に廃止を迫っていると紹介しました。
仕組み改善も
“生活保護を受給すると労働意欲が低下する”との指摘も話題に。田村氏は、収入認定で保護費が減額される仕組みの緩和などが必要だとして、「自分で貯金もできて、働くことで生活がステップアップできるよという支援が必要だ」と強調。「公営住宅も増やして、生活保護を受けながら生活を立て直す仕方を当たり前にしたい」と力説しました。
西村氏もベストセラー「ハリー・ポッター」シリーズの原作者が生活保護を利用していたことを引き合いに、制度を利用しやすくする必要性を強調。田村氏は、受給者の多くは高齢者であり、生活保護とともに公的年金の拡充が必要だと強調しました。