2021年2月14日(日)
カジノ開業時期示せず
大阪府・市 事業者を追加公募
大阪府と大阪市は12日、誘致をめざすカジノを中核とする統合型リゾート(IR)をめぐり、開業時期を明記しない実施方針の修正案を公表しました。事業者を追加公募し9月ごろに選定します。
新型コロナの影響で、当初の2025年大阪・関西万博との同時開業を断念し27~28年度に先延ばししていました。今回の修正案では「20年代後半」と記すにとどめました。
開業時に事業者に求める施設規模をこれまでより縮小し、段階的に整備することを認めます。(1)10万平方メートル以上の展示施設(2)3000室以上の宿泊施設―などの設置を求めてきました。今回の修正では、展示施設について、開業時は「2万平方メートル以上」とし、開業から15年で「6万平方メートル以上」まで拡張すればよいという条件に変更しました。
カジノは「人の不幸で成り立つ」ギャンブル産業であることに加え、「3密」の典型的な産業。新型コロナでカジノ大手資本は経営難に陥り、日本進出から相次ぎ撤退していました。大阪IRに手を挙げたのは、米カジノ大手MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスの共同事業体の1組だけでした。そのMGMも経営が悪化しています。
撤退を懸念する大阪の維新府・市政は、条件を緩和することで新たな事業者も募り、あくまでカジノ誘致にこぎつけたい考え。市民団体などから「カジノ誘致ではなく、コロナ対策にこそ全力を注ぐべきだ」との声が強まっています。