2021年2月13日(土)
女性が怒りの行動
森会長の辞任 変える一歩に
東京
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性暴力のない社会を求めるフラワーデモが11日、全国46都市33都道府県で行われました。東京はオンラインで開催し、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の女性差別発言への怒りや、刑法改正をめぐる状況などを語りあいました。
呼びかけ人の一人で作家の北原みのりさんは森氏の発言にふれ、これまでこうした発言が社会の中で許されてきた歴史があると述べ、「今回で根を絶たなければいけない」と強調。性暴力の背景にはジェンダー不平等があると語り、「あらゆるセクシャリティーや性別にかかわらず、みんなで一緒に社会を変えたい」と訴えました。
法務省で検討が進む刑法改正の議論について、性暴力被害者の当事者団体「一般社団法人Spring」代表理事の山本潤さんが説明。不同意性交等罪が盛り込まれるか微妙な情勢だと述べ、「お互いの意思を尊重した性交が当たり前になるために、世論を広げたい」と話しました。
埼玉
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野党共闘を進める埼玉女性の市民連合は12日、さいたま市のJR浦和駅東口で、東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の辞任を表明した森喜朗氏の女性蔑視発言に抗議し、緊急宣伝をしました。日本共産党の梅村さえこ衆院北関東比例予定候補が参加しました。
参加者は「森さんの発言は女性蔑視であるうえに、『会議は発言が少ない方がいい』というのは、民主主義を破壊する言葉です」「僧侶をしていますが、女性の僧侶も男性社会の中で苦労しています。今、声を上げることが、政治を変える一歩になります」とリレートーク。ジェンダー平等などを求める署名も呼びかけました。
梅村氏は「森氏個人だけの問題ではなく、組織としての責任も問われている。森氏の辞任で終わらせるのではなく、社会そのものがジェンダー平等へと前進するきっかけにしていかなければ」と訴えました。
署名に応じた男性(82)は「辞任は当然。世界にあんなひどいことを発信されてはかなわない」と話し、女性(73)は「もっと早く辞めるべきだった。みんな意見があるから発言しているのに、森さんの態度は良くない」と語りました。
大阪
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「わきまえない女たちのアクション」が12日、大阪市の淀屋橋で行われました。新日本婦人の会大阪府本部の呼びかけで60人を超える女性たちが参加。「女性蔑視発言許さない」「黙らない 社会を変えるまで」などのプラスターを掲げてスタンディングしました。日本共産党の長岡ゆりこ大阪市議が参加しました。
新婦人府本部の杉本和会長は「(森喜朗東京五輪組織委会長の)辞任は当然だが次の人事を決めて終わりにしようという体質もおかしい」と批判。特に遅れているのが政策決定の場への女性の参画だとし、「私たちはあきらめない。ジェンダー平等の社会をめざして声を上げ続けていこう」と呼びかけました。
労働組合女性部や個人が「いままでもこれからも、わきまえない女で差別とたたかっていく」「総選挙で女性議員、多様性を認める議員を増やしていこう」などと訴え。通りがかった年配の男性が「森さんの発言はあかん。頑張って」と激励していきました。
青森
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日本共産党の、さいとうみお衆院青森1区予定候補と、吉俣洋県議は12日朝、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が、女性蔑視発言の責任を取り、辞任すると表明したのを受け、青森市内で街頭演説しました。
通勤の車が行きかう交差点で訴えた、さいとう氏は、この社会に染み付いてきた男尊女卑が正されていないことが浮き彫りになったのが、森氏の女性蔑視発言だと強調しました。
「森氏の辞任を機に、正社員が当たり前、全国一律最低賃金の制定など、社会の仕組みを変えるチャンスです」とのべ、日本共産党への支持を呼びかけました。
吉俣氏は、「共産党は、自己改革しながらジェンダー平等実現に頑張ります」と決意を語りました。
奈良
奈良県の日本共産党女性後援会は11日、こむら潤・衆院近畿比例予定候補、谷川かずひろ衆院奈良1区予定候補らとともに総選挙と奈良市議選(7月)の躍進めざして、同市などを宣伝して駆け巡りました。
こむら氏は、女性蔑視発言で東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が辞任の意向を示したことにふれ、「国内だけでなく世界中からの批判の声が辞任に追い込んだ」と述べ、「声を上げれば政治は変わる」と強調。また、「無為無策の菅政権ではコロナを収束できない。政権交代をすすめ憲法を生かす政治に変えよう」と訴えました。
白川ケンタロー市議は、市長が県域水道一体化計画の県との覚書を交わしたことは「災害に強い街づくりに逆行する」と批判。同計画に参加しないよう運動を広げ、「総選挙勝利と7月に行われる市議選で7人全員勝利を」と訴えました。
愛媛
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2019年8月から「性暴力のない社会を」と毎月11日に実施している松山市のフラワーデモには、初参加を含めて11人が参加しました。
森喜朗東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の女性蔑視発言に怒りの抗議。参加者が次々マイクを持ち、「辞任で幕引きにはならない」「性暴力に対する日本の刑法上の位置付けの遅れと同じ根を持つ問題」と指摘。
「ジェンダーギャップ指数が世界153カ国中121位という遅れを打開する契機にしたい」「大詰めを迎えている刑法改正に向けて声を上げよう」と訴えました。
配布されるチラシを受け取る若いカップルの姿があり、市民の注目を集めました。
熊本
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熊本県の「フラワーデモ」が11日、熊本市で行われました。20人が参加し、「性暴力のない社会を」や「女性蔑視発言に抗議」するプラスターを掲げ、スタンディングアピールしました。
参加した65歳の女性=熊本市=は森喜朗氏の女性差別発言と性暴力には深い関わりがあると指摘し、「傍観者でいるのは賛同することと同じこと。女性の権利侵害をなくすためにも行動して抗議の意思表示をし、思いを伝えたい」と話しました。
集会には、上野美恵子・熊本市議、山部洋史・前熊本市議(以上日本共産党)、鎌田聡県議(立憲民主党)、西田由未子・山都町議(無所属)も参加しました。
和歌山
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新日本婦人の会和歌山県本部が呼びかけた宣伝行動「わきまえない女」が11日、南海電鉄和歌山市駅前で実施されました。
参加者らは、森喜朗氏の女性蔑視発言について「東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長を辞任すれば終わりという問題じゃない。日本社会のあり方が問われています」と訴えました。
自民党の二階俊博幹事長が森発言に失望して多くのボランティアが辞退したことを「瞬間的」「また募集すればいい」と言ったことことについて、女性(36)は「これが和歌山から選出された国会議員の発言かと思うと残念でなりません。これは和歌山から声を上げないといけないと思いここに立っています」と話しました。