2021年2月13日(土)
森会長 反省なき辞任
五輪組織委 密室の後継者指名とん挫
東京五輪・パラリンピック組織委員会の理事と評議員らを集めた「合同懇談会」が12日に東京都内で開かれ、女性蔑視発言の責任を問われていた森喜朗会長(83)は「私が(大会の)妨げになってはならない」と語り、辞意を表明しました。しかし「解釈の仕方だと思う」「女性を蔑視する気持ちは毛頭ない」とものべ、反省を口にしませんでした。
後任の人選に選考委を設置
合同懇談会の冒頭で森会長が釈明。森会長は不適切な発言だったと認めたものの、「多少意図的な報道があった」と責任をメディアになすりつけました。
後任人事をめぐる組織委員会の対応も問われました。
組織委員会評議員で元日本サッカー協会会長の川淵三郎氏(84)が森会長から後任の打診を受けて就任の意向を示していました。ところが、非民主的で透明性を欠いた手続きに多くの批判が集まり、同氏は辞退しました。
川淵氏は後任について、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長から森会長に女性共同会長の提案があったと明かしましたが、森会長は応じませんでした。
組織委員会の武藤敏郎事務総長は合同懇談会後の記者会見で、会長の選任の手続きについて説明しました。御手洗冨士夫名誉会長を委員長とする選考委員会を設置し、委員の人選を進めていくと語りました。
会議は予定時間を大幅にオーバーし、活発な意見交換が行われました。出席者からは「(選考は)透明性あるプロセスが不可欠」「(女性蔑視は)構造的な問題。(会長の)退任だけで済むものでない」「組織委員会の女性の割合が求められる水準に比べて低い」という意見が相次ぎました。