2021年2月12日(金)
森氏発言 誰に遠慮? NHK
女性蔑視と「受け取れる」の表現に固執
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が女性を蔑視したみずからの発言への影響が広がっていることを理由に会長職の辞任の意向を示したと11日、報じられました。ところが、疑問なのはNHKの報道姿勢です。
午後1時前に速報で伝えたNHKニュースは、森氏自身が責任を感じていると報じながら、「森会長は女性蔑視と“受け取れる”発言をめぐって辞任の意向」と伝えました。
この問題では、選手や元五輪選手、JOC会長、五輪担当相のほかにも大会スポンサーが「自分たちが大切にしてきた価値観と異なっていて遺憾」(トヨタ社長)など怒りや批判の声を上げ始めました。NHK自身の調べによると、スポンサー70社のうち26社が「発言は容認できない」としているといいます。
これだけ国内外で「女性蔑視発言」として問題となっているとみずから報道しておきながら、NHKは森氏の発言を終始、「女性蔑視と取れる」あるいは「女性蔑視と受け取れる」発言と称してきました。いったい誰に遠慮しているのでしょうか。(田村三香子)