2021年2月10日(水)
協力金など予備費支出
衆参予算委理事懇 野党「小出し」と批判
衆参両院の予算委員会は9日、理事懇談会をそれぞれ開き、政府が閣議決定した新型コロナウイルス対策の予備費1兆1372億円の支出について、説明を聴取しました。
予備費の支出は緊急事態宣言が1カ月延長されたことを踏まえての措置。営業時短要請に応じた飲食店への協力金の財源として8802億円、飲食店の時短営業や外出自粛などの影響で減収となった事業者への一時金に2490億円を計上。感染状況把握のためのPCR検査費として81億円を計上しています。
衆院で日本共産党の藤野保史議員がPCR検査費について、感染集積地への集中検査を実施するものかと質問したのに対し、財務省は「あくまで定点観測するためのものだ」と説明。藤野氏は集団感染が多発する高齢者施設、医療機関への社会的検査にも予算が付いていないと指摘。野党は「小出し」のやり方を批判しました。
また、昨年12月に予備費の支出を決定した病床確保支援の約2693億円のうち、29億円しか現場に届いていないことも判明しました。藤野氏は「予算の100分の1しか届いていない。なぜ遅れるのかの分析もない」と厳しく指摘しました。
参院で日本共産党の山添拓議員は一時金の給付対象について飲食店と直接・間接の取引がある事業者に加え、「外出・移動の自粛による直接的な影響を受けた」事業者とあるが、どう判断するのかと質問。財務省は「業種を問わず影響を受けたところは対象になる」と答えました。野党は「事業規模に応じた支援にすべきだ」と主張しました。