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2021年2月10日(水)

東日本大震災10年

復興状況・課題・要望は

達増岩手県知事・戸羽陸前高田市長と志位委員長がオンライン会談

 2011年3月11日の東日本大震災から10年にあたり、日本共産党の志位和夫委員長は9日、岩手県の達増拓也知事と同県陸前高田市の戸羽太市長とオンラインで会談し、復興状況や課題、要望などを聞きました。(詳報)


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(写真)会談する達増拓也岩手県知事と志位和夫委員長=9日

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(写真)会談する戸羽太陸前高田市長と志位和夫委員長=9日

 達増知事との会談で志位氏は、支援の継続・強化に加え、新型コロナウイルスの感染拡大による新たな困難についてもお聞きしたいと問いかけました。

 達増氏は、応急的仮設住宅等の全ての入居者が今年度内に恒久住宅へ移行すると説明。今後の課題として、被災者の心のケアや災害公営住宅のコミュニティー形成を挙げ「心のケアは一定の相談件数があり継続的対応が必要です」とし、生活支援相談員の増員を含めた支援構築を強調しました。サケやサンマなど主要魚種の不漁や消費税増税に加え、新型コロナによる消費減で生業(なりわい)の再生に大きな影響が出ており、事業者への減収補填(ほてん)が必要だと訴えました。

 志位氏は、全面的に要望実現に取り組むと約束。災害公営住宅は高齢化が進み独居の方が多いといった不安があるとし、生活支援相談員の拡充を国が支援していくことを求めていきたいとのべました。水産業については「不漁により魚種転換も必要となっており、従来の枠にとどまらない新しい支援を要求していきます」と強調。事業所の減収補填のための給付金も求めていくとのべました。

 達増氏は、心のケアなどの課題は難しいからこそ残っているとし「ゴールに向けて一気に終わらせるのではなく、末永く寄り添って一緒に復興を歩んでいく姿勢を国に求めたい」と語り、志位氏は「本当にその通りです。その姿勢で国が支援を続けるよう求めます」と応じました。

 戸羽市長は、復興計画に沿ってハード事業が9割終了したとする一方、コロナ禍を含め生業での課題があるとして、貝毒による養殖業の出荷規制や国から説明のない原発汚染水の海洋放出問題、公共交通の脆弱(ぜいじゃく)化に伴う地域住民の交通網の確保などを挙げました。

 志位氏は、原発汚染水について「復興からようやく再起しようというさなか、岩手にも甚大な影響が出る」とし、海洋放出は断じて許してはならない立場で国に対応を求めると表明。また、復興交付金について自治体が実情に即して自由に使える交付金への継続・強化に取り組むとし、公共交通網についても前向きの打開策を具体的に検討していきたいと述べました。

 戸羽氏は「二度と津波で人が亡くなることがない街をつくることが一番の責任です」と強調。志位氏は「市長が将来を見据えて情熱的にとりくんでおられることに敬意を表します。引き続き力をあわせていきたい」と応じました。


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