2021年2月5日(金)
辺野古サンゴ訴訟 棄却
高裁那覇支部 知事「大問題だ」
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沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に伴う沖縄防衛局のサンゴ特別採捕許可申請について、農林水産相が県に申請を許可するよう是正指示したことは違法な国の関与に当たるとして、県が指示の取り消しを求める訴訟で福岡高裁那覇支部(大久保正道裁判長)は3日、県側の訴えを棄却しました。
玉城デニー知事は同日、県庁で記者会見し、今回の判決は「地方公共団体の自主性及び自立性を著しく制約するもので大きな問題がある」と述べました。
沖縄防衛局は、新基地建設の埋め立て予定区域北側の大浦湾に生息するサンゴの移植のため2019年、約4万群体の特別採捕許可を県に申請しました。
県は、移植の必要性や妥当性を慎重に審査していましたが、農水相は知事の判断を待たずに昨年2月、是正指示を行いました。
県は、同是正指示は違法な国の関与に当たるとして昨年3月に国の第三者機関に取り消しを申し出ましたが退けられたため、昨年7月、今回の訴訟を提起しました。
訴訟でデニー知事は、サンゴ類を生き残らせるために最大限の配慮が必要なことを主張。サンゴの専門家や行政法学者の意見書を証拠として提出し、県の審査の正当性を訴えてきました。
デニー知事は、判決は「納得できるものではなく、内容を精査した上で、上告を含めた対応を検討する」と述べました。