2021年1月29日(金)
首相に速やかな任命迫る
学術会議が幹事会声明
日本学術会議は28日、菅義偉首相が任命を拒否した会員6人全員について、すみやかな任命を強く求める幹事会声明を発表しました。
声明は、同会議が任命を再三求めたにもかかわらず、菅首相から正式の回答や説明が一切されておらず、前例のない事態への対応を迫られ、運営に支障をきたしていると報告。「6名の欠員という法の定めを満たさぬ状態が長く継続することは、本会議の独立性を侵す可能性」があり、是正できるのは「任命権者たる内閣総理大臣をおいてありません」と指摘しています。4月開催の総会を「法の定めを満たさぬままに開催されることは避けられねばなりません」として、6人の速やかな任命を強く求めています。
梶田隆章会長(東京大学教授)は同日開いたオンライン記者会見で、4月の総会は、現在検討をすすめている学術会議のより良いあり方についての最終報告を議論し決定する極めて重要な役割をもった総会だと指摘。「今後の学術会議にとって極めて重要な意味をもつ文書を、(法の規定通り)会員210人がいる状態で決めたい」と強調。小林傳司第1部幹事は、「法を満たさない状態が任命権者によって作られており、人事介入が独立性を侵すことになっている」と述べました。