2021年1月28日(木)
PCR行政検査の地方負担
臨時交付金「充てられず」
内閣府が7日、地方創生臨時交付金の仕組みについて説明する事務連絡を出しました。
この間、政府は新型コロナの陽性者を見つけるために自治体が行う行政検査の費用について、2分の1の地方負担分を地方創生臨時交付金で支援するという説明を繰り返しています。
ところが同事務連絡では、行政検査のような国2分の1、地方2分の1という費用負担割合がもともと法令で決まっている事業(法定率事業)の地方負担分には、地方創生臨時交付金は「充てられない」と明記されました。
他方、同連絡は法定率事業の地方負担分に直接充てられないが、自治体が独自に行う事業(単独事業)には充てられるとしています。
検査・医療にかかわる自治体独自の取り組みに臨時交付金を充て、浮いた地方財源を行政検査の費用(地方負担分)にまわすという“迂回(うかい)路”をとおれば、結果として、検査費用を国が出したのと同じになる―というのが国の言い分です。
菅首相は「事実上の全額国負担となっている」と述べてきましたが、7日の事務連絡で、複雑な仕組みによる遠回りの間接補助にすぎないという実態が改めて明確になりました。
自治体から、「本当にこの仕組みで地方負担分をカバーできるのか」「結局、いったん自治体の持ち出しになるのは同じ」などの声が起こるのは当然です。
やはり、行政検査自体を全額国庫負担にする以外に、行政検査・社会的検査を拡充する道がないことが、いよいよ明らかになったといえます。