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2021年1月28日(木)

主張

菅首相の答弁姿勢

事態の深刻さ直視できないか

 答えない、棒読み、閣僚任せ―菅義偉首相の国会での無責任な答弁姿勢が改まりません。日本共産党をはじめ野党議員が、コロナ禍での国民の暮らしの深刻な実態を具体的に示し、認識をただしても、「承知していない」などと冷たい答えです。コロナ感染急拡大の抑止に向けて政府の果たす役割が厳しく問われている時に、政府のトップがこの態度では建設的な議論が成り立ちません。危機的事態を直視せず、国民の苦難を理解しようとしない首相の姿勢は重大です。

冷たさと強権変わらず

 衆参本会議の各党代表質問で首相は、PCR検査の拡大や医療機関への財政支援をめぐり、やっていない対策をやっているかのように答えるなど、事実と異なる不誠実で不真面目な答弁を繰り返しました。聞かれたことについて丁寧に説明しない、答弁の短さも問題になりました。

 一問一答の質疑となった衆参予算委員会に舞台を移しても、首相の態度は変わりません。なかなか自ら答弁に立とうとしません。首相自身の認識を聞かれているのに、先に答弁するのは担当閣僚という場面が目立ちました。閣僚が答弁した後に、「大臣が答えた通り」で済ますこともしばしばです。首相が進んで国民に語りかけようという立場がないことは、危機時の政治リーダーとしての資質にもかかわります。

 実態もつかんでいません。日本共産党の笠井亮衆院議員が、持続化給付金の申請をしながら何カ月も待たされ、1回も給付されない事業者の規模についてただしても、詳細は承知してないという答弁でした。29万余の事業者が1回も給付されない深刻な現実を把握せず、持続化給付金を打ち切ろうというのは大問題です。

 異論に耳を貸そうともしません。日本共産党の宮本徹衆院議員は、新型コロナ関連の法改定で入院に応じない人に罰則を導入する案に保健所職員などから反対が相次いでいることを示して、罰則の撤回を迫りました。しかし、首相は応じません。国民の不安や懸念にこたえず、あくまで罰則に固執する強権ぶりです。

 感染拡大を「人災」として深刻化させた「Go To」事業も絶対にやめようとしません。首相は、「Go To トラベル」の停止の判断は遅くなかったと言い張りました。「Go To」関連に1兆円以上も盛り込んだ2020年度第3次補正予算案をそのまま押し通すことは、無反省の極みです。

 国民の批判を意識したのか、「答弁は控える」「ご指摘は当たらない」などの言葉は首相の口から出なくなりました。しかし、これまでの無為無策についての根本的反省はありません。これでは国民の信頼を得ることはできません。

緊張なき政権に不信募る

 緊急事態宣言発令中に自民党の松本純元国家公安委員長(衆院議員)が東京・銀座の飲食店3軒を深夜まではしごし、公明党の遠山清彦幹事長代理(衆院議員)が銀座のクラブで夜の会食をしていたことが発覚しました。国民に外出自粛を求め、飲食店に夜8時以降の営業自粛を要請した政権与党の幹部として極めて許し難い行動です。菅政権に危機感も緊張感も欠落していることの反映としか思えません。国民の不信と怒りは広がる一方です。


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