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2021年1月14日(木)

米軍が模擬弾投下計画

東富士演習場 初の訓練実施狙う

 陸上自衛隊東富士演習場(静岡県御殿場、裾野両市と小山町)で米軍機が模擬爆弾投下訓練を計画していることが13日、わかりました。同演習場での模擬爆弾投下訓練は初めて。日米軍事一体化の一環で、地元の平和団体は「米軍と自衛隊が海外で戦争をするための訓練場にするな」と批判しています。

 陸上自衛隊が周辺自治体に、14、15、20の各日午前7時~午後10時に模擬爆弾投下を含む米軍ジェット機2機の演習場上空通過を通告。御殿場市演習場渉外課によると、模擬爆弾投下訓練はグアムや三沢対地射爆撃場(青森県)で実施し、同習場では最近は行っていません。

 昨年12月24日の東富士演習場使用協定運用委員会では、防衛省南関東防衛局が、航空自衛隊F2戦闘機や米軍FA18戦闘攻撃機などを使い、米軍と陸上・航空両自衛隊が地上の誘導・統制員の指示で模擬爆弾投下訓練を実施すると関係自治体や住民団体に説明。日米一体の日常的な訓練も狙われています。

 御殿場市平和委員会の渡邊希一事務局長は「東富士演習場では陸海空・海兵隊すべての米軍が訓練し、沼津市の今沢海岸では米海兵隊も訓練を始めました。米軍と自衛隊が海外で一緒に戦争できるようにすることが模擬爆弾投下訓練の狙い。東富士を戦争のための訓練の場にさせないための運動を広げていきたい」と話しています。


解説

米軍と同じ戦術で「日米一体」具体化

 東富士演習場で米軍と空自・陸自が共同で実施する模擬爆弾投下訓練は、米軍がイラク戦争で実施した地上部隊を援護する攻撃と同様の内容です。

 米軍は最前線や敵地深くに空軍や海兵隊の特殊部隊・統合末端戦闘統制官(JTAC)を送り込み、攻撃目標のGPS座標を測定。その座標に基づき、統合直接攻撃弾(JDAM)など精密誘導爆弾で爆撃する戦術を多用しました。

 防衛省は2008年度から航空自衛隊にJDAMを導入。14年度には、離島作戦を想定しJDAMの命中精度を高める地上誘導装置の陸自への装備を始めています。

 陸自の揚陸作戦専門部隊「水陸機動団」に「火力誘導班」を配置。空自のF2戦闘機に誘導装置の装備も計画されています。

 16年以降、日米共同演習や多国間演習で、米空軍・海兵隊のJTACが陸・空自の地上誘導員に対する訓練を実施しています。東富士演習場での訓練は、日米一体での敵基地攻撃、海外で戦争する態勢の具体化そのものです。(佐藤つよし)


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