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2021年1月13日(水)

コロナ・福祉・暮らし

市政をよくする一番の力 共産党10人全員勝利を

北九州オンライン演説会 志位委員長の訴えから

 日本共産党の志位和夫委員長は11日の北九州オンライン演説会で、北九州市議選(22日告示、31日投開票)の三つの争点と党市議団の値打ちを解明し、10人の予定候補者全員の勝利を訴えました。志位氏が訴えた市議選の争点部分を紹介します。


 第一の争点は、新型コロナから命と暮らしを守る一番の力はなにか―です。

 志位氏は、感染急拡大が、全国でも、福岡県でも止まらず、医療崩壊が始まっていると指摘。新型コロナ対策での菅政権の無為無策、逆行ぶりを批判し、科学の無視と「自己責任」の押しつけという二つの致命的欠陥を指摘しました。その上で、「『検査・保護・追跡』の抜本的強化という感染症対策の科学的大原則に立った取り組みに切り替えよ」と訴えるとともに、「冷酷な『自己責任』論をコロナ対策にまで持ち込むのは、本当に罪深い」と批判し、「コロナ収束」を前提とした第3次補正予算案を根本からやり直すことを求めました。

PCR検査拡充――検査センター、「社会的検査」の実現

 志位氏はこの中で、コロナ対策での党北九州市議団の奮闘ぶりを次のように紹介しました。

写真

(写真)訴える志位和夫委員長=11日、党本部

 新型コロナ対策で、北九州の日本共産党市議団が果たしている役割は大変にすばらしいものがあります。

 市長への申し入れだけでも7回、173項目の要請を行いました。市職員のOBから「コロナ問題を政策的に引っ張ったのは共産党」の声が寄せられるほど、ずば抜けた頑張りをしてきたのが日本共産党市議団です。

 二つほど紹介します。

 一つは、PCR検査の強化です。

 3月から5月にかけての感染拡大の「第1波」のさい、「PCR検査が受けられない」との悲鳴が広がりました。

 その時に、北九州市では、党市議団の頑張りで、保健所を通さずにドライブスルー方式で検査を受けられるPCR検査センターが開設されました。5月の設置から1月4日までで5800件以上の検査がここでやられています。命を守る大事な働きをやってきました。

 介護施設・障害者施設の3万人の職員と入所者のみなさんを対象に「社会的検査」を行う補正予算が12月に成立し、検査がはじまりました。市内の特養ホームの施設長さんは、「クラスターが発生しているだけに、無料で入所者や職員を検査してもらえるのは大歓迎です」と喜びの声をあげておられるとのことです。

 この北九州で始まった介護施設への「社会的検査」は、福岡市、久留米市に広がり、福岡県としても社会的検査に取り組むようになってきています。全国で見ても一番進んでいる県の一つになっていますが、その出発点は北九州市議団の頑張りと市民の運動だったのです。こういう力をどうか伸ばしてほしいと心から訴えます。

市独自の家賃補助制度――国政を動かす先駆的取り組み

 もう一点、みなさんに紹介したいのは、国をも動かした市独自の家賃補助制度をつくったということです。

 党市議団の頑張りで、北九州市では、国の制度にさきがけて昨年4月、休業要請にこたえたお店の家賃の8割(最大40万円)を補助する市独自の制度を実現しました。支援を受けた方々からは、「商売をやめようと思ったけれど、家賃補助が入ったので、これで商売が続けられる」などの喜びの声が共通して寄せられました。

 重要なことは、この北九州市での先駆的取り組みが国を動かしたことです。私は、4月29日の衆院予算委員会で、北九州市の取り組みを紹介して当時の安倍首相にこう迫りました。

 「北九州でも、事業者に家賃の8割の補助を決定しました。総理、自治体では『家賃の8割補償』がすでに始まっている。自治体にできて、国ができないわけがないじゃないですか。家賃などの固定費補償に踏み込むべきではありませんか」

 北九州市で実際にやっている話を出したわけですから、安倍首相もこれを否定できません。安倍首相の答弁は、「家賃支払いに大変苦労しておられる声は私たちにも同じように伝わっております」というものでした。その後、政府も家賃支援給付金に踏み出しました。共産党市議団が市政を動かし、その北九州市の先駆的な取り組みが国政を動かした。

 こういう素晴らしい働きをしてきたのが共産党市議団です。新型コロナから命と暮らしを守る一番の力は、日本共産党10人全員の勝利です。どうか絶大なご支持をお願いします。

公立病院をつぶし、保健所を減らした間違った政治をただそう

 志位氏は、第二の争点として、下北道路(下関・北九州道路)優先か、福祉と暮らし優先かと提起しました。

 この中で志位氏は、コロナの危機が深刻化した背景に、「『新自由主義』という、すべてを市場にまかせ、社会保障を削り、『自己責任』を押しつける政治がある」と指摘。「こうした間違った流れが、とりわけひどい形であらわれたのが自民・公明主導の北九州市政です」と話をすすめました。

 北九州市には、合併前の5市――小倉市、門司市、若松市、戸畑市、八幡市に、それぞれ市立病院があり、合併後も北九州市立の市民病院として引き継がれてきました。

 ところが、2009年以降、廃止、民間への譲渡、独立行政法人化、指定管理者制度など、五つの市立病院はすべて廃止・民営化されてしまいました。市民の命綱である市立病院に対する市の責任をすべて投げ捨ててしまったのです。

 それから以前は、市内7カ所、区ごとに保健所がありました。それが1996年に1カ所に統廃合され、職員も3分の1に減らされました。これがいまコロナとたたかううえで深刻な打撃となっています。

 コロナ対策で一番の頼りになる拠点――これは公立病院と保健所です。その公立病院をつぶし、保健所を減らしてしまった間違った政治は、今度の選挙でただそうではありませんか。

 日本共産党市議団は、昨年6月議会に、「公立・公的病院統廃合計画の見直しを求める」意見書を提出し、他会派に働きかけて賛成多数で可決させました。

 今度の選挙が大事です。日本共産党10人の全員勝利で、市内各区に保健所を復活させましょう。医療機関、病院、介護施設への支援を抜本的に強めようではありませんか。

必要性、安全性、採算性――下関・北九州道路はいらない

 もう一つ、大きな問題があります。コロナ危機のもとで、いまの市政、市議会の多数が、3500億円もかけて下関・北九州道路建設を推進しているということです。

 下北道路というのは2008年、無駄な公共事業の典型として凍結されたものでした。ところが、安倍政権が再登場して、「国土強靱(きょうじん)化」と言い出し、その名のもと復活しようとしています。橋の両端が安倍氏と麻生氏の地元であることから、「安倍・麻生道路」とも言われています。2人が権力の座についたので、これがチャンスだとばかりに動きだしたのです。しかし、こんな道路が必要でしょうか。

 関門海峡には、すでに3本のトンネルと1本の橋、合計4本の道路と鉄道がつながっているじゃありませんか。5本目が必要でしょうか。そんな必要性はどこにもありません。

 それから下北道路は、小倉東断層の真上を通ります。専門家の話では、小倉東断層は最大3メートルのズレが起こるそうです。3メートルのズレを吸収する構造物をつくるのは困難と言われています。安全性でも大きな問題があるのではないでしょうか。

 そしてもう一つ、毎年の収入が22億円にたいして支出167億円。大赤字は必至です。

 必要性、安全性、採算性――どこから見ても成り立たないのが下北道路ではないでしょうか。

 この問題を日本共産党は国会や市議会でずっと追及してきましたが、政府も市も説明ができない。説明できない道路はつくるなと言おうではありませんか。

 みなさん、今ならまだ間に合います。日本共産党10人の全員勝利で、破綻必至の下北道路建設は、きっぱりストップさせようではありませんか。

子どもの医療費助成制度、6000件の生活相談

 こうした政治のとんでもないゆがみをただせば、福祉と暮らしをよくしていく展望が開かれます。

 日本共産党市議団は、福祉と暮らしを良くするうえでも、市政を前に動かす素晴らしい実績をたくさんつくってきました。

 たとえば、子どもの医療費助成制度です。とうとう高校3年生まで拡充することになりました。この4年間で、共産党市議団は、子どもの医療費の拡充を求める質問を本会議で11回、予算・決算特別委員会で7回行ってきました。そういう党市議団の頑張りと市民の運動が合わさって政治を前に動かしました。残るは窓口負担を完全無料にすることです。18歳までの医療費窓口負担は完全無料にしよう。日本共産党10人全員の勝利で実現しようではありませんか。

 それから市議団のみなさんは、3年半で6000件の生活相談に取り組んできました。国民の苦難軽減という、立党の精神を発揮し、ずっと取り組んできました。コロナ災害でも、中小業者、個人事業主をはじめ市民の相談にこたえ、さまざまな申請のお手伝いもして、1億円をこえる給付、減免、融資を実現してきました。まさに「市民の命綱」の働きをしてきたのが共産党市議団です。

高齢者福祉乗車券――共産党の全員勝利で実現しよう

 それから公約にかかわって、一つ、お訴えしたいのが、高齢者福祉乗車券のことです。

 北九州市は、政令市で一番高齢化が進み、高齢者の「買い物難民」が問題になっています。ところが多くの政令市で実施されている、高齢者がバスなどに乗るときの料金を補助する「高齢者乗車券」の制度が北九州市にはありません。福岡市ではタクシーにも使える「高齢者乗車券」があるのに、北九州市にはありません。

 ただこの問題は、市民のみなさんの運動と党市議団の奮闘で、足掛かりをこの間つくってきました。昨年9月議会に2万1933人分の署名をそえて提出された「福祉乗車券」の実現を求める請願署名は、9月議会で継続審査になっています。つまり否決できなかった。継続に持ち込んでいます。あと一歩のところまで来ています。

 日本共産党の10人の全員勝利で、もう1回請願を出して、高齢者福祉乗車券を実現しようではありませんか。

黙っていれば下北道路、声をあげれば福祉と暮らしを良くできる

 みなさん、政治のゆがみをただせば、福祉と暮らしを良くする展望が開かれてきます。

 黙っていれば下北道路、声をあげれば保健所増設。

 黙っていれば下北道路、声をあげれば高齢者福祉乗車券。

 黙っていれば下北道路、声をあげれば、国政でも一歩前進した少人数学級を北九州ではもっと進めることができます。

 みんなで声をあげ、福祉と暮らし第一の市政をつくろうではありませんか。そのためにも、日本共産党10人全員勝利をかちとるため、あなたの力をお貸しください。

菅政権サヨナラ、新しい政権をつくるのろしを北九州から

 志位氏は、「第三の争点は、菅政権にサヨナラの審判を下し、政権交代へののろしを北九州からあげようということです」と切り出し、「4年に1度、年の初めに行われる北九州市議選は、国政の流れにも大きな影響をあたえます」と強調しました。

 最後に志位氏は、日本共産党が提唱した「新しい日本をつくる五つの提案」を説明。その上でこう呼びかけました。「北九州市議選で、日本共産党10人の全員勝利をかちとることは、北九州市政を良くする一番の力になるとともに、菅自公政権を倒し、『新しい日本をつくる五つの提案』の方向を実行する新しい政権――野党連合政権をつくるのろしを、北九州からあげることになります。市議選はしのぎを削る大激戦です。選挙は最後まで頑張ったものが勝利をつかめます。どうか最後の最後までご支持の輪を広げていただき、10人全員の勝利をかちとるためにお力をお貸しください」


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