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2021年1月12日(火)

初期のヒト

原始的な石器使い環境変化生き抜く

図

 現生人類(ホモ・サピエンス)を含むヒト属(ホモ属)の最も初期の人類は、つくりだした原始的な石器を使って目まぐるしい環境の変化を生き抜いていた―。こんな研究結果を、ドイツ・マックスプランク人類史科学研究所などの研究グループが科学誌『ネイチャー・コミュニケーションズ』(7日付)に発表しました。

 研究グループは、東アフリカ・タンザニアのオルドバイ峡谷で発掘調査を行いました。この峡谷は、さまざまな人類の遺跡が見つかっているアフリカの大地溝帯の一角にあり、これまで、ルイス・リーキー、メアリー・リーキーの夫妻をはじめとした人類学者によって、最初期のヒト属と考えられているホモ・ハビリスなどの化石が発見されています。

 研究グループは、約200万年前から180万年前にかけてそこを利用していた人類が残した石器や、動物の骨などを発見。その間の植生を含む環境の変化を再現することにも成功しました。

 これらのデータを分析した結果、約20万年の間、この場所はシダ植物が繁茂したり、ヤシの木が育つ湖だったり、乾燥した草原だったりと目まぐるしく環境が変化したことがわかりました。一方、石器にはほとんど変化がみられませんでした。

 研究グループは、ホモ・ハビリスがつくり始めたとされる最も原始的な石器であるオルドワン型石器(オルドバイ峡谷で最初に発見されたことから、そう呼ばれる)がさまざまな環境で使える性能を備えていたことを示すと考えています。

 発掘調査を行った場所で人類の化石は見つかりませんでしたが、350メートル離れた場所では約182万年前のホモ・ハビリスの化石が発見されています。


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