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2020年12月20日(日)

メディア・芸術家と連携を

学者の会 学術会議問題でシンポ

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(写真)シンポジウムで討論する(左から)大沢、津田、浅倉、佐藤の各氏

 菅義偉首相による日本学術会議会員の任命拒否問題を多角的に検証しようと「安全保障関連法に反対する学者の会」は19日、「Choose Life Project」の配信でオンラインシンポジウムを開きました。

 ジャーナリストの津田大介氏は、人文科学を含めた全分野の科学者が政府から独立して科学的根拠を公正に提供できることが日本学術会議の強みだとのべ、新型コロナ感染拡大の下、その意義を人々に広めていく重要性を強調。「学者集団にメディアと芸術家も加え、権威主義に対する統一戦線を組む必要がある」と訴えました。

 今期から学術会議会員となった劇作家の平田オリザ氏は、異なる価値観を持つ人との「対話」を強めることが学術や芸術の課題だと提起。任命拒否が発覚した直後の総会では、多くの出席者が戦前の学者たちが感じたであろう不気味さを共有していたと述べました。

 日本学術会議元会員の浅倉むつ子早稲田大学名誉教授は、学問の自由を保障されているがゆえに学術会議は自律的な行為の責任を自覚し、自ら問題を発掘して「市民のための科学」を進めてきたと強調しました。

 同会議連携会員の隠岐さや香名古屋大学教授(科学史)は、フランスの絶対王政期や日本の明治期ですら、学者集団の自律性、学問の自由が一定程度理解されていたと指摘。石田英敬東京大学名誉教授は、学術会議へのデマ攻撃が影響力をもって広がる現状に対し、学者、芸術家、メディアが連携して情報の信用を回復していく必要性を訴えました。

 討論には、津田、浅倉両氏に加え、元会員の佐藤学東京大学名誉教授が参加。学術会議のあり方を検討する自民党プロジェクトチームの提言を「政府につくす学術会議に転換させるもの」と批判。司会は元会員の大沢真理東京大学名誉教授が務めました。


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