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2020年12月16日(水)

案里被告 懲役1年6月求刑

大型買収 「選挙への信頼を失墜」

東京地裁

 昨年7月の参院選をめぐる大型買収事件で公職選挙法違反(買収、事前運動)の罪に問われている参院議員の河井案里被告=自民離党=に対する論告求刑公判が15日、東京地裁でありました。検察官は「選挙を不正な利益の享受でわい曲しようとするもの」「選挙の公正さに対する国民の信頼を失墜させた」として懲役1年6月を求刑しました。5年間の公民権停止も求めました。

 争点は現金供与の趣旨です。

 起訴状は、案里被告が夫で元法相の克行被告=同、衆院議員=と共謀し、票の取りまとめの趣旨で広島県議ら計5人に計170万円を供与したなどとしています。

 検察官は論告で、参院選の公示前に河井陣営が、後援会の入会申込書や安倍晋三前首相と案里被告の2人が載ったポスターを配布したことなどを「最終的には参院選で案里被告を当選させるための活動」だったと位置づけました。

 その上で、現金を受け取ったことを法廷で認めた議員らの証言から、議員らが「現金の趣旨が参院選での投票や選挙運動の報酬の趣旨であると理解していた」と繰り返し強調。公選法には買収資金を受けとる側も処罰する規定(被買収)があることを念頭に「(議員らは)自らの犯罪行為を認める証言をしている」として証言に信用性があると主張しました。

 また案里被告が、妻を介して現金を受け取ったとされる県議の一人に電話で「あれ、なかったことでいいよね」と告げたとして、「口裏合わせという証拠隠滅を行った」「犯行後の情状も悪質だ」などと述べました。

 案里被告は5人中3人への現金供与そのものは認めていますが、その趣旨は選挙の陣中見舞いや当選祝いだったとして無罪を主張。残る1人については「記憶がないが、供与したとすれば陣中見舞いや病気見舞い」だとし、1人については「寝耳に水」だとして関与を否定しています。

 23日に弁護側の最終弁論が行われ、結審する見通し。判決は年明けとみられます。


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