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2020年12月16日(水)

砂粒多数 カプセルに “リュウグウ由来” はやぶさ2

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は15日、小惑星リュウグウへの着陸に成功した探査機はやぶさ2の着陸カプセルから、リュウグウ由来の数ミリメートル級の多数の黒い砂粒を確認したと発表しました。カプセル内から採取したガスもリュウグウ由来と判断。地球圏外から気体状態の物質を回収したのは世界で初めてだとしています。

 小惑星からの試料回収は、初代はやぶさ以来2回目の快挙で、有機物や水が多いとされる炭素質タイプの小惑星からは初めて。惑星や海、生命の起源と進化の謎を解くヒントが期待されています。

 探査チームによると15日午前、試料容器のうち1回目の着陸時の試料が入ったA室を開封。最初に内部を見た澤田弘崇主任研究開発員は記者会見で「入っているのは自信があったが、言葉を失うくらい予想を超えた。数ミリサイズのサンプルがごろごろ、どっさり入っていて、期待をはるかに上回る量が採取でき大喜びしている」と話しました。14日にはこの容器の外側で砂粒が見つかっていました。

 科学チーム責任者の渡邊誠一郎名古屋大学教授は第一印象を「コピー機のカーボントナーのようだった。有機物の期待が高まった」と説明。初期分析担当の橘省吾東京大学教授は“竜宮城の玉手箱”になぞらえ「玉手箱の煙―揮発性のガスは、惑星が誕生する場所に豊富にあることが天文観測で分かっている。太陽系の最初の頃に連れて行ってくれるガスだと期待し分析を進めたい」と述べました。

 はやぶさ2のカプセルは今月6日にオーストラリアに着地。8日にJAXA相模原キャンパス内の試料受け入れ設備に搬入されました。地球の物質で汚染されないよう、クリーンな環境で慎重に作業が進められています。


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