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2020年12月15日(火)

「気候非常事態」呼び掛け

パリ協定5周年サミット 国連総長、各国に

 【ワシントン=池田晋】地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の採択から5周年を迎えた12日、国連と英国などの共催で「気候野心サミット」がオンライン形式で開かれました。国連のグテレス事務総長は、温室効果ガスの排出削減を加速させるため、「実質ゼロが達成されるまで、各国において気候非常事態を宣言するよう呼び掛ける」と述べました。

 70カ国以上の首脳や、市民社会・企業などの代表が発言。新型コロナウイルスの感染拡大が世界の貧富の格差を浮き彫りにする中、排出量の大半を占める20カ国・地域(G20)や富裕層の責任を求める声があがりました。

 グテレス氏は、過去10年間で世界の78%の排出量を占めてきたG20がコロナ対策で化石燃料部門に多額の予算を充てていることを「容認できない」とし、脱炭素社会への転換を求めました。

 ケニアのケニヤッタ大統領は、世界の排出量の大半を占めるG20諸国と大企業の大幅な削減目標の引き上げを訴えました。

 マーシャル諸島の活動家セリーナ・リームさんは、「世界の1%の支配層、あなた方が重責を担っているのだ」と語り、パリ協定採択後の遅れに対する世界の若者の怒りと失望を代弁しました。

 来年の気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26、英グラスゴー)で議長を務める英国のシャーマ国際開発相は、45人の首脳が30年までの新たな排出削減日程を提示したことは「前進」だが、今世紀の気温上昇を1・5度未満に抑えるには「十分でない」と述べました。


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