2020年12月13日(日)
元請け責任認定 確定
災害公営住宅工事代未払い
支援者「買い取り制度見直せ」
仙台高裁判決
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宮城県石巻市の「公営住宅買い取り制度」を使った災害公営住宅の建設をめぐって、工事代金が支払われない下請け業者が起こした裁判で、元請け責任を認定する画期的な判決が確定しました。下請け業者と支援した東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センターが11日に記者会見で明らかにしました。
民間が整備した住宅を自治体が買い取る公営住宅買い取り制度に基づき石巻市が災害公営住宅を公募し、選ばれたパナソニックホームズ(大阪府)と売買契約を締結。パナソニックホームズは通路・公園などの外構工事を梅本工務店に発注。同工務店は、その後、失踪・倒産したため工事代金が支払われない4次下請けの高木勝博氏が、同社を相手取り元請け責任を求めて提訴していました。
一審では敗訴したものの仙台高裁は、パナソニックホームズを元請けと認定し、一部支払いを認める判決を出し、11月25日に確定しました。
高木氏は「一部認められて感謝している。これから元請け責任を追及し、全額を勝ち取りたい」と話しました。
同県民センターの横田有史氏は「公営住宅建設なのに『買い取り制度』では事実上公共事業ではなく、行政の指導責任は無いとされてきた。今回の判決は、受注した事業者の元請け責任を明確にしたもので、高く評価できる。『買い取り制度』の見直しを強く求めていきたい」と訴えました。