2020年12月9日(水)
セガ “コロナ便乗”リストラ
狙いはカジノ参入 JMITUが批判
大手ゲームメーカー、セガサミーグループが「雇用を守る体力はある」と認めながら、650人の退職募集などコロナ便乗リストラを強行しています。真の狙いはカジノ参入に事業転換することにあり、JMITU(日本金属製造情報通信労働組合)セガグループ分会は、リストラ反対のたたかいに立ち上がっています。(田代正則)
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セガサミーは11月4日、アミューズメント施設(ゲームセンター)事業売却を発表。さらに中間決算発表の11月6日、ゲームセンター以外のグループ全体でも650人の希望退職を募集すると発表しました。
面談で退職迫る
コロナの影響で、ゲームセンター部門やパチンコ・パチスロ部門は赤字ですが、外出自粛に伴って大幅黒字の家庭用ゲーム部門でも退職強要が繰り返されています。
ある労働者は、個人面談で「いまの部署に仕事はなくなる。それでも残るか」と迫られました。「退職するつもりはない」と断りましたが、毎週、社外出向を示唆するなど圧力をともなう面談が続けられています。
里見治紀社長の8月5日付の文書は、「私たちセガサミーグループはこの難局を乗り切る十分な体力を持っています」と述べていました。労働者のひとりは、「社長は動画メッセージでも、コロナが続いても2年は雇用を守れると明言していた」といいます。
利益剰余1799億円
セガサミーの2020年9月期の中間決算(11月6日発表)では、内部留保の中心部分である利益剰余金は1799億円あります。
JMITUセガグループ分会は、11月6日、団体交渉でただしました。会社は、「将来的なIR事業(カジノ)への参入を視野に、お金をどこに投じるか」と述べ、カジノ参入のためにリストラを強行していることを明らかにしました。
高橋秀友分会長は、「カジノ参入を優先して、労働者を犠牲にする会社経営に厳しく抗議する」とリストラをやめるよう訴えています。
会社は、組合員にも退職面談を実施しましたが、組合員は「退職しない。これ以上の面談は無意味だから応じない」と答え、面談を中止させています。
組合は本社前でも宣伝を行い、組合に入って雇用と生活を守ろうと呼びかけています。
会社は本紙の問い合わせに、「コロナの影響は施設事業へのダメージがあったが、構造改革はグループ全体として成長するための事業見直しとして行っている」と答えました。
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