2020年12月5日(土)
東京 コロナ第3波 飲食店危機
思い切った支援早く
時短要請するも協力金不十分
新型コロナの第3波が忘年会シーズンを直撃し、飲食店は再び客足激減に見舞われています。東京都は夜10時までの時短営業を要請。店主からは「書き入れ時がなくなり、もう店がもたない。思い切った支援を」との声があがっています。(青柳克郎)
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「この1週間、客足は例年の1割。忘年会のキャンセルも相次いでいる。12月こそ売り上げを挽回しようと思っていたが、大打撃だ。街も人通りが正月のように少なく、まるでゴーストタウンだ」
新宿区歌舞伎町で20年、居酒屋を営む清水秀樹さん(69)が肩を落とします。
4月の緊急事態宣言以降、4回にわたる都の休業・時短要請に協力してきました。今年全体の売り上げは昨年の2、3割。廃業も頭をよぎりますが、借りている店舗の原状回復にも多額の費用がかかり、困難です。
妻の晴奈さん(40)が訴えます。「いまを乗り越えれば、また来てくれる常連のお客さんはたくさんいます。減収分の補償や、持続化給付金の再給付などを国や都は考えてほしい」
都の時短要請は当面、17日まで。要請に応じた飲食業者に支給する協力金は40万円限りで、業者に対するまともな感染把握・防止策はありません。
客足ゼロ
「この金額では、1カ月の家賃を支払ったらなくなります」と言うのは、歌舞伎町でカラオケスナックを営む女性(73)。2次会の客が中心で、10時閉店では商売になりません。この1週間、客足ゼロの日が続いています。
今年全体の売り上げは昨年の半分以下。しかし、8月に申請した家賃支援給付金はいまだ審査中で、「国は中小業者を救う気があるのか」と憤ります。
「多くの飲食業者は度重なる時短要請に協力してきました。それなのに第3波が来たのは、まともな対策をしてこなかった行政の責任です。直ちに繁華街でのPCR検査などを行ってほしい」
相談活動
東京商工団体連合会は、全ての中小業者への十分な補償・支援やPCR検査拡充などを都に求める交渉を12月中に行います。大内朱史事務局長が力を込めます。
「このままでは年を越せず、廃業する中小業者が続出しかねない。その状況を国や都はわかっているのか。第3波の影響はあらゆる業種に及んでおり、全ての業者を視野に入れた対策が必要です。一人の業者もつぶさせないよう、相談活動も含め全力をあげたい」
日本共産党都議団は11月30日、都に対し、感染拡大防止の緊急対策を要請。新規陽性者が多く発生している地域や医療・福祉施設などでの大規模なPCR検査の実施、医療機関への財政支援、「Go To 事業」の見直しなどを求めました。