2020年11月29日(日)
検査センター拡充を
大阪 一般の診療所では対応限界
新型コロナの感染者が急拡大する中、インフルエンザの流行期に備え、発熱患者が地域で適切に診療・検査、相談を受けられるよう厚生労働省の方針の下で大阪府が進めている「診療・検査医療機関」の指定について大阪府保険医協会(高本英司理事長)が実施した会員医療機関への緊急アンケートで、一般の診療所での発熱外来の対応には限界がある実態が浮き彫りになりました。28日、同会が記者会見し、発表しました。
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府保険医協会が調査
アンケートは会員の医療機関約4000件に20日に送付。25日までに527件(大阪市192件、大阪市以外335件)の回答が寄せられました。
そのうち「診療・検査医療機関」は大阪市で46件、大阪市以外で85件の131件。「手をあげていない」は395件(大阪市145件、大阪市外250件)でした。
指定に手をあげていない理由として「診療所が動線を確保できない」「陽性患者の待機場所の確保」など医療機関の構造上の問題困難を挙げる回答が多数を占めました。一方、こうした問題が解決されれば「手をあげる」とする回答が18・2%(大阪市内は25%)。自治体で検査センターや発熱外来センターがあれば「協力する」が34%(大阪市内は53%)に上りました。
会見では開業医から「医療従事者への補償がない」「風評被害が心配」などの問題や、不安の中で懸命に診療を続けている実態を紹介しました。
同会では、新型コロナ感染陽性者の半数以上を占める大阪市内の検査センターが4カ所しかないとし、府・市が責任をもって発熱外来・検査センターを増設し、地域医療をぎりぎりの状態で支えている医療機関への支援を早急に講じるべきだとしています。