2020年11月22日(日)
コロナ後の学校教育どうする
“多くの人と語り合いたい”“意見を聞くことの大切さ”
『子ども白書』出版記念シンポ開く
オンラインで
日本子どもを守る会は21日、「コロナ後の学校教育をみとおす」をテーマにオンラインでシンポジウムを開きました。同会の『子ども白書2020』の出版とホームページ新設を記念した行事です。
同会の増山均会長は開会あいさつで、1964年から刊行している『子ども白書』が「時どきの社会情勢と子どもの生活・発達を見つめてきた」と指摘。今年の『白書』がコロナ禍の中でつくられたことにふれ、「学校はどういう場所かが問い直されている」と述べました。
3人の子どもの母親で滋賀短期大学非常勤講師の西郷南海子さん、東京大学教授の勝野正章さん、法政大学教授の児美川孝一郎さんが発言。
西郷さんは、休校時にPTA役員で相談して保護者アンケートをとったところ、児童400人ほどの学校でたちまち200件以上の回答が寄せられ、結果について学校と話し合い、学習相談日や運動場開放が実現したと報告。「どういう学校にしたいか、ひとりでも多くの人と語り合いたい」と話しました。
勝野さんは、コロナについての子どもたちの声を紹介し、子どもの意見を聞くことの大切さを強調。教師が不寛容や同調圧力のもとに置かれたりしていることを指摘し、「子どもの声が受け止められる学校・教師集団」であるには「流されずに異を唱える力」などが重要と訴えました。
児美川さんは、政府の教育政策について、急進派の経済産業省、穏健派の文部科学省という違いはあるが、先端技術で教育を個別化・市場化する「Sоciety(ソサエティ)5・0」型の改革という点は同じだと指摘。本来の学校と教育の姿を取り戻すことが必要だとし、その大前提として少人数学級や抜本的な教育条件の整備を挙げました。