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2020年11月19日(木)

学術会議問題 菅首相答弁ファクトチェック

「学術会議の総合的・俯瞰的な活動を確保する観点から判断した」

無関係な引用を“基準”に

 日本学術会議会員6人の任命拒否に関する菅政権の答弁が二転三転し、つじつまが合わない言い分を繰り返しています。情報の真偽を検証する「ファクトチェック」の手法で菅首相の答弁を見てみました。


 菅首相は当初、2003年の「総合科学技術会議」報告書の記述を引用し、任命拒否の判断としていました。

 報告書は、新しい学術研究の動向への対応や社会的課題解決に向けた提言などを行うため「総合的、俯瞰(ふかん)的な観点」からの活動が求められると記述。学術会議は要請に応えて成果を挙げてきました。

 この引用箇所は学術会議のあり方の基本についてのべたもので、会員選考についての提案ではありません。会員選出について報告書は「優れた研究者が科学的業績に基づいて」選ばれることが重要だと日本学術会議法に沿った原則をのべ、コ・オプテーション方式(現会員による欠員補充)を基本とすることが適切だと提案しています。これは現在行われている方式です。

 政府が学術会議法に書いていない勝手な選考基準を持ち込むのはあってはならない違法行為です。多彩な政策提言や国際活動など「総合的・俯瞰的な活動」を行っている学術会議に対し、「総合的・俯瞰的な活動」を理由に任命拒否するのは実態を見ない攻撃であり、筋が通りません。

 6人を任命すると「総合的・俯瞰的活動」が確保できないのか―。日本共産党の志位和夫委員長の追及に対し、首相は「人事に関すること」としか答えられませんでした。


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