2020年11月12日(木)
別居中・離婚前のひとり親
児童手当受け取れず
当事者ら制度改正求め会見
別居中で離婚成立前のひとり親の一定数が、児童と同居しているにもかかわらず児童手当を受け取れていないことが支援団体らの調査で分かりました。当事者らは11日、制度の改正を求め都内で会見しました。
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児童手当は0歳から中学校卒業までの児童を養育している人に最大月1万5000円支給する制度。支援団体らが9月に実施した「別居中・離婚前のひとり親家庭アンケート」では、回答者262人のうち18%が児童手当について「子どもと別居中の相手が受け取っている」、4%が「誰が受け取っているか分からない」と答えました。
現行制度は、児童手当の受給者変更は住民票を別世帯にすることが条件になっています。回答者の7割が相手からのDV(家庭内暴力)を経験しており、「相手に居場所を知られることを恐れ、住民票の変更手続きをしていない人が多い」としています。
NPO法人「しんぐるまざぁず・ふぉーらむ」の赤石千衣子理事長は、ひとり親世帯の多くが困窮を極めるなか「児童手当すら手元に届かない。あまりにも理不尽だ」として、実態に合わせ自治体が判断できるように国の「DV事務通知」を改正することを求めました。3人の子を育てる女性は「なぜ(別居中の)夫が受け取り続けるのか」「児童手当はシングルマザーの支えです」と訴えました。