2020年11月6日(金)
学術会議任命拒否 “事前調整なかった結果”
首相が新たな正当化
菅義偉首相は5日の参院予算委員会で、日本学術会議の会員候補6人を任命拒否した要因について、以前は推薦名簿の提出前に内閣府と学術会議会長との間で調整が行われていたと主張し、「今回の任命にあたっては推薦前の調整が働かず、結果として、学術会議から推薦された者のなかに、任命に至らなかった者が生じた」と述べました。自民党の二之湯智議員への答弁。
任命拒否について新たな正当化をはかるものですが、学術会議が会員候補を推薦するにあたり内閣府側との事前調整をしなければならないという規定は会議法にはありません。事前調整がないことを任命拒否の理由とすることは、法律にない基準を主張するもので道理がありません。
菅首相はその上で、「日本学術会議法の規定に基づき、任命権者が、学術会議に求められる役割等もふまえて適切に判断するという考えは、以前のように事前に一定の調整が行われた場合と、今回のように推薦名簿をいただいた後、99名の任命を行う場合とでは、変わらない」などと主張しました。