2020年11月4日(水)
守れ「学問の自由」
任命拒否に抗議 国会前行動
市民・野党「憲法生きる政治を」
日本国憲法公布から74年の3日、菅首相による「学問の自由」への介入に抗議し、憲法が生きる政治を実現しようとアピールする行動が各地で取り組まれました。国会正門前では市民、学者、学生らと野党が参加した行動・抗議が実施され、市民と野党が力をあわせて新しい政権をつくろうと訴えました。
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安保法制反対 学者の会など
安全保障関連法に反対する学者の会と全国大学有志の会が主催した抗議には、大学関係者や「学術会議を応援します」のプラカードを掲げた市民、宗教者が駆けつけました。
「学者の会」呼びかけ人で同会議会員も務めた佐藤学・学習院大学特任教授は、「予算も足りず、手当も返上してきた。閣僚の大半を日本会議が占める菅政権こそ『多様性』がない」と批判。日本ペンクラブ会長の吉岡忍さんは、軍事研究反対への攻撃だと指摘し、市民が「き然とした態度を示そう」と呼びかけました。
お茶の水女子大学名誉教授の戒能民江さんは「学問の自由は、精神的な人権であり自由です。油断すると容易に奪われてしまう。今が頑張り時です」と述べました。
任命を拒否された岡田正則早稲田大学教授、小沢隆一慈恵会医科大学教授、松宮孝明立命館大学教授がメッセージを寄せ、「任命拒否は違憲・違法。学術会議の独立性を否定して政治に従属させようとする」(岡田氏)と批判しました。
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総がかり行動
「憲法が生きるコロナ後の社会」を掲げた総がかり行動実行委員会の大行動には3000人(主催者発表)が参加しました。
主催者あいさつで共同代表の高田健さんは、日本学術会議への政治介入で菅政権の本質が早くも現れたと指摘。「政治の変革が切実に求められている。市民と野党の共闘で菅政権を打倒し、政権交代を実現しよう」と訴えました。
「自助・自立は人の手を借りて成り立つものであり、まず公助が大事です」(花の谷クリニック・伊藤真美院長)「女性が死にたくなる社会に未来はありません。性差別に本気で向き合い変えましょう」(作家・北原みのりさん)「菅政権は自助を強調し、生存権を無視している」(日本体育大学・清水雅彦教授)とスピーチしました。
野党各党のスピーチ
山下副委員長訴え
「平和といのちと人権を!11・3大行動」(主催・総がかり行動実行委員会)には、各野党を代表して日本共産党の山下芳生副委員長、立憲民主党の岸真紀子参院議員、社民党の福島瑞穂党首、参院会派「沖縄の風」の高良鉄美幹事長がスピーチしました。
山下氏は、大阪市廃止の是非を問う住民投票で反対が多数となった歴史的な結果にふれ、「自公の補完勢力である維新の会に痛打を与えるものであり、国政にも大きな意義をもちます」と強調しました。
菅首相による日本学術会議への政治介入は民主主義への挑戦だと批判し、「これを許せば、待っているのは全体主義国家への転落です。日本共産党は党の存在意義にかけ、先頭にたってたたかいます」と語りました。
立憲民主党の岸氏は、菅政権は日本学術会議への人事介入についてまともに答えない一方で、コロナ対策をはじめどの分野でも自助を強調していると強調。「誰もが生きやすい社会にするためには、いまの政治ではダメです。これからもみなさんと力をあわせていきます」とのべました。
社民党の福島氏は、日本学術会議への人事介入は、学問の自由だけでなく市民のさまざまな自由・権利にかかわる問題でもあるとのべ、「ものが言えなくなる社会にしないために、菅政権を一日も早く退陣に追い込みましょう」と語りました。
「沖縄の風」の高良氏は、憲法をないがしろにする菅政権を許してはいけないと訴え、「みなさんと一緒に、憲法にもとづいた政治を取り戻しましょう」と語りました。
共産党から、伊藤岳参院議員も参加しました。