2020年10月28日(水)
性被害 6000件の回答
当事者支援団体「Spring」アンケート
被害届受理わずか400件
性被害の当事者支援団体「Spring」による「性被害の実態調査アンケート」への回答総数が5911件となり、約6千件に上ったことが26日、分かりました。アンケートは8月16日~9月5日に実施されたもの。法務省の「性犯罪に関する刑事法検討会」の第7回会合(10月20日)に、同団体の山本潤代表理事(検討会委員)が調査結果の一部を提示し、同省が公表しました。
山本氏は、調査結果のうち、性別(または性自認)、出来事内容、加害者との関係などの項目を開示。このうち、「挿入を伴う被害」に遭ったとの回答は1274件となり、その出来事を「被害」だと認識するまでに平均7・46年(最大42年)、被害の記憶が失われた場合では回復までの期間が平均10・8年(最大34年)かかると分かりました。
被害を「警察に相談した」との回答は894件で全体の15%にとどまりました。「警察で被害届が受理された」との回答は415件でした。
加害者との関係では、「同居父」や「親戚」、「兄弟姉妹」など、家庭・家族内での性被害が浮き彫りになりました。
当事者の性別・性自認では「女性」が96%となる一方、「男性」や性的少数者への回答がありました。
同アンケートは検討会への提出が目的で、調査開始からわずか2日間で回答数が3000件を超えました。