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2020年10月28日(水)

米最高裁判事に保守派

「中絶反対」バレット氏就任

 【ワシントン=遠藤誠二】米連邦上院本会議は26日、トランプ大統領が最高裁判事に指名した保守派のエイミー・バレット氏(48)の承認人事の採決をおこない、52対48の賛成多数で可決しました。バレット氏は同日、ホワイトハウスで宣誓し、正式に判事に就任しました。


共和党が承認採決を強行 市民団体「選挙で審判を」

 最高裁判事は終身制で、バレット氏就任で最高裁の構成は保守派6、リベラル派3となり、保守派の影響が拡大します。

 採決では共和党からコリンズ議員1人が反対に回りました。民主党はすべての議員が反対しました。民主党のシューマー上院院内総務は「この指名の真実は、司法を極右に偏向させる(共和党による)長年の試みの一部だ」と指摘。新たな最高裁判事は次期大統領が指名すべきだと主張してきた民主党は、大統領選8日前に判事を承認したことを批判しています。

 トランプ大統領はリベラル派のギンズバーグ判事が死去したことを受け、9月に保守派のバレット氏を指名。大統領選直前の判事補充は極めて異例ですが、共和党は承認を強行しました。

 共和党はオバマ民主党政権時代の2016年、保守派のスカリア判事が死去した際、大統領選の8カ月以上前だったにもかかわらず「選挙の年だ」として後任判事の承認審議を拒否しました。今回は180度姿勢を変えたことになり、「ダブル・スタンダード(二重基準)」との批判を受けています。

 バレット氏は、熱心なカトリック信者といわれ、人工妊娠中絶の権利やオバマ政権時に成立した医療保険制度改革(オバマケア)に否定的な見解を持つ一方、銃所持の権利を支持するなど、保守的な姿勢が際立っています。

 17日に全米で数万人規模の抗議の「女性の行進」を取り組んだキャンペーン組織は、バレット判事を強行指名・承認したトランプ政権・共和党に「審判」を下すことを目的に、大統領選・議会選で投票することを呼び掛け。行動を全国規模で展開。すでに7500万人の母親が有権者登録をすませたことを明らかにしています。


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