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2020年10月13日(火)

「都」構想の危険性明らか

学者26人会見 130人が所見

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(写真)大阪市廃止の危険性を訴える学者=11日、大阪市浪速区

 「大阪都」構想の危険性を明らかにする学者の記者会見が11日、大阪市浪速区で開かれ、参加した26人の学者が、さまざまな学術領域の視点から「大阪都」構想の危険性について語りました。呼びかけ人は藤井聡京都大学教授(国土・都市計画学・公共政策論)、森裕之立命館大学教授(地方財政学)。10日現在、130人の学者から所見が寄せられました。

 藤井氏は「大阪都」構想は学術的視点から考えて「論外」としか言いようがなく、大阪市の廃止・解体は共同体としての「死」を意味すると指摘。市民が税の支払いを通して享受している厚生水準が大きく毀損(きそん)され、大阪市の衰退が日本全体の没落につながると警告しました。

 森氏は「都」構想によって大阪市の主要財源が大阪府に吸い上げられると指摘。財源を特別区にどれだけ再配分するかは府が毎年決めるため、未来永劫(えいごう)住民サービスが維持されるかのような言い回しで大阪市を廃止することはあってはならないと批判しました。

 河田恵昭京都大学名誉教授(防災学)は、近い将来に巨大な南海地震・津波が大阪市を襲う危険性を強調。四つの特別区の区割りでは、災害が起きた時に被害に大きな差があり、防災の観点からみて不平等だと告発しました。

 冨田宏治関西学院大学教授(政治学)は「都」構想を一貫して支えている維新の「多数決こそ民主主義」という思想は究極の反民主主義だと批判。民主主義の根幹である熟議を欠いた強行的なやり方に、その危険性が表れていると主張しました。


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