2020年9月24日(木)
少人数学級 今度こそ 署名に力
分散登校で良さ実感
和歌山
和歌山市を中心に少人数学級の実現をめざす署名がとりくまれています。新型コロナウイルス感染症の拡大で、短期間とはいえ学級を二分し20人以下学級を体験する中、全国の教育研究者有志がよびかけたネット署名を「ネットだけでなく書面でも」と始まったものです。(和歌山県・川崎正純)
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和歌山県教職員組合和歌山市支部の平田秀一書記長は「もちろんこれまでも少人数学級の署名はとりくまれてきました。でも厚い壁を感じてきたのも事実です。しかし、分散登校で20人以下学級を体験した今、こんどこそという強い思いがあります」と力を込めます。
現場の声
「30人以上いると遠慮して先生に話しかけられなかった子どもが、話しかけてくれるようになった。教員と子どもの距離が近づいた」「困っている子どものそばにすぐ行けるようになった。授業が早く進み、課題ができた子どもに待ってもらう時間が大きく減った」「不登校の子どもが登校できた」など現場からの声が後押しします。
「少人数だと何かいいの?」など少人数学級の良さは案外知られていません。「少人数学級って支援学校のこと?」という人もいます。たまたま学年人数の関係で1学級20人程度になることもあり、「実現しているのでは」と勘違いしている人もいます。
いま学校現場では、さまざまな問題を抱えた子どもたちへの対応が求められています。中学校では27人に1人が不登校です(2018年度文部科学省調査)。DV、育児放棄、リストカット―深刻化する事態に「子どもたち一人ひとりのことを考えたら少人数学級がいい」は、ほとんどの人が一致できる要求になっています。
対話重視
和歌山大学の越野章史准教授、小児科医の佐藤洋一氏、子育て真っ最中の芝野友樹弁護士が代表よびかけ人となった「『少人数学級を求める署名』をすすめる会」は、署名を広げるため粘り強く対話をすすめています。
同会は22日、南海電鉄和歌山市駅前で署名・宣伝にとりくみ、道行く市民らが応じていました。
「少人数学級を子どもたちにプレゼントしよう」のプラスターを掲げた市内高校のPTA会長(63)は「コロナで一時的に少人数になって学校に来られるようになった子が、大人数に戻り再び来られなくなりました。大人数は生徒も先生も大変です。一日も早く少人数学級が実現してほしい」と話しました。