2020年9月20日(日)
「オーナーに過重負担」
コンビニ訴訟 支援する会結成
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人手不足などからコンビニエンスストアの24時間営業が困難になり、深夜閉店を始めたためにセブン―イレブン本部から不当に契約を解除されたとして本部を訴えている東大阪市の元加盟店オーナー、松本実敏さん(59)を「支援する会」の結成総会が19日、大阪市内で開かれました。ジャーナリストの斎藤貴男さんが記念講演し、「コンビニは便利だがオーナーに過重な責任を負わせている。本部や国には責任がある」と語りました。
斎藤氏は、廃棄品や万引きされた商品のコストをオーナーに負担させる独特の「コンビニ会計」などを解説。1970年代以降、小規模商店を大企業中心に再編成する国策に沿ってコンビニが発展した経過も報告しました。
会長に就任した元日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏のメッセージが読み上げられました。
この会は「セブン―イレブン松本さんを支援する会」。松本さんは2012年から東大阪市内のコンビニ店舗を経営。共に店を支えた妻の病死やアルバイトの退職などで長時間労働を余儀なくされ、「このままでは過労死する」と昨年2月、時短営業に踏み切りました。
「社会インフラ」とも称されるコンビニが、しばしばオーナー家族の過重労働に支えられていることが社会問題化するきっかけの一つになりました。
本部は昨年末、客の苦情などを理由に松本さんに契約解除を通告。松本さんは今年2月、「契約解除は時短営業への意趣返し。独占禁止法が禁じる優越的地位の乱用にあたる」として本部を提訴しました。本部も松本さんを提訴し、大阪地裁で審理中です。
松本さんは総会で、「本部は契約解除をちらつかせてオーナーに圧力をかける。裁判に勝つことで、本部の脅しが通用しないことを全国のオーナーに示したい」と語りました。