2020年9月19日(土)
「桜」招待状で荒稼ぎ
ジャパンライフ元会長らの逮捕
弁護士ら会見 徹底解明・救済求める
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悪質な預託商法で顧客から資金を集めたジャパンライフ。元会長の山口隆祥容疑者(78)が詐欺容疑で逮捕されたことを受け、被害者から徹底解明と救済を求める声が上がっています。全国ジャパンライフ被害弁護団連絡会(石戸谷豊代表)は18日、東京都内で記者会見を開き、被害者への資金返還などを要望。山口容疑者に届いたとされる首相主催「桜を見る会」の招待状を同社が宣伝に利用していた問題については説明責任を求めました。
連絡会によると、ジャパンライフの預託商法による被害者は約7000人で被害額は約1800億円を超えます。連絡会は同日、「徹底解明を期待します」との声明を発表しました。
ジャパンライフは全国各地の地方都市に代理店を置き、高齢者の孤独や健康不安につけ込んで資金を集めたとみられています。
石戸谷氏は「会社という形態をとりながら、実態は犯罪組織だ。強制捜査で、組織的な犯罪性はいっそう明確になっている」と指摘。破産手続きで被害者に資金を返還するよう要望しました。預託商法による被害が二度と起きないようにするための法整備も国に求めました。
大迫恵美子・連絡会事務局長は「ジャパンライフの組織の全容と預託商法の欺瞞(ぎまん)性が解明され、1円でも多くのお金が被害者の手元に戻ることを期待したい」と述べました。
山口容疑者が2015年の「桜を見る会」の招待状をセミナーで見せるなどして宣伝に利用していた問題について、石戸谷氏は「官邸(安倍晋三前首相)の側の問題だと認識している。招待したことでジャパンライフに加担し、結果として支援する形になった。山口容疑者にどんな功績・功労があったのか、説明責任が問われる」と指摘しました。
ジャパンライフは当時、加藤勝信・1億総活躍担当相(現官房長官)の顔写真が入った広告で宣伝するなどしていました。石戸谷氏は「信用を高める効果は抜群だったと思う。『心配しなくて大丈夫だと思って契約した』という声も寄せられた」と語り、政治家が宣伝に利用された経緯を明らかにすべきとの認識を示しました。