2020年9月2日(水)
朝鮮人虐殺 二度と
関東大震災時の蛮行忘れず 式典開く
小池都知事の追悼文拒否批判
関東大震災97周年朝鮮人犠牲者追悼式典が1日、東京都墨田区で開催されました。ライブ配信を500人以上が視聴しました。主催は9・1関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典実行委員会。1923年に発生した関東大震災のさなか、「朝鮮人が井戸に毒を入れる」などのデマが流れ、6000人以上の朝鮮人、700人以上の中国人が軍隊・警察・一般市民に虐殺されました。同式典はこの史実を二度と繰り返さない決意を込め、毎年開催しています。
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実行委員長の宮川泰彦・日朝協会東京都連合会会長は「震災で生き残っても、人間による流言飛語とそれを信じた人々の手によって命を奪われた」と強調し、二度と繰り返させない決意を込めました。
参加者からは、歴代都知事が毎年寄せていた追悼文を小池百合子氏が知事就任した翌2017年から送付していないことに批判が相次ぎました。
「関東大震災朝鮮人虐殺の国家責任を問う会」の田中正敬事務局長は小池知事が“歴史家がひも解くべきもの”としてかたくなに追悼文を送らないことに触れ、「歴史家がひもとくまでもなく虐殺は歴史的な事実。事実を語らない追悼とは何を意味するのでしょうか」と問いかけました。
亀戸事件追悼会実行委員会の榎本喜久治・副実行委員長は知事が追悼辞を送らなくなったころから一部の右派グループが「自虐、反日などとレッテルを貼り、公然と(式典を)妨害するようになった」と批判しました。
都は今年、式典会場の横網公園を使用する際、誓約書を同実行委員会に提出させようとしました。朝鮮総連東京都本部の梁春植(リャン・チュンシツ)副委員長は都の暴挙が「抗議により撤回された」と紹介しました。
日本共産党の原田あきら都議、日本平和委員会の千坂純事務局長も追悼の辞を述べました。
作家の平野啓一郎さん、映画監督のオリバー・ストーンさんらがよせた追悼メッセージが紹介されました。
日本共産党の小池晃書記局長・参院議員と山添拓参院議員はオンライン配信に動画メッセージを寄せました。
ヘイトクライム繰り返さない
小池書記局長のメッセージ
横網公園の追悼碑は1973年、自民から共産党まで全会派が賛同し、二度と繰り返さないという誓いの下、建立した碑です。小池知事は追悼文を送らない態度を取り続けていますが、都の負の歴史を知事として受け止め、反省するのは当然の責任です。
併せて都は今年、この公園の使用許可に不当な制限を持ち出し、ヘイトスピーチを振りまく団体と(同実行委員会を)同列に扱うという許しがたい態度を取りました。撤回されましたが、深く反省しなければいけないと思います。
知事が追悼文を送らないことが、ヘイトスピーチをさらに促進する役割を果たしていると言われても仕方がないのではないでしょうか。これは決して過去の問題ではありません。再びこのようなヘイトクライムを繰り返さないと、今日ご一緒に誓い合いたいと思います。