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2020年8月30日(日)

戦争の記憶・証言継承へ

新しい工夫・表現 交流

オンライン・シンポ 片渕監督ら語る

写真

(写真)シンポジウム登壇者によるトークセッション=29日

 空襲・戦災を記録する会全国連絡会議は29日、第50回大会シンポジウム「21世紀の空襲の記憶・表現」をオンラインで開催しました。戦争の記憶と証言を継承する活動への新しい工夫や表現を交流しました。

 同会事務局長の工藤洋三さんは米軍資料を使い空襲部隊、使用爆弾、狙撃地を具体的に把握した資料をネットを通じ、簡単に共有できるようになったと紹介しました。東京女子大学の柳原伸洋准教授は戦争写真のカラー化に取り組む活動を紹介。「肌の色、清潔さなど当時の人の営みを改めて照らし直せるのではないか」と提起しました。

 東京都多摩地域の戦争証言の映像化、岡山空襲展示室の資料収集の取り組みについて発言がありました。

 劇場アニメ「この世界の片隅に」の片渕須直監督は「戦争を体験していない世代として当時の空気感や心理的な感触をどう描くのかある意味でのチャレンジ」と語りました。歴史研究とは異なる余地がアートにはあると紹介し「当時の様子と心理的な距離を縮めることが大事ではいか」と実感を話しました。

 動画配信サイトを通じて寄せられた証言者の記憶に誤りがあった場合はどう考えるかという質問に対して、岡山空襲展示室の猪原千恵さんは「証言をそのまま紹介しつつ、誤りがあるかもしれないということまで掲載する」と紹介。多摩地域の戦時下資料研究会の楢崎茂彌さんは史実と照らし合わせながら慎重に収集していく大切さを紹介しました。


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