2020年8月27日(木)
建設アスベスト責任問う
東北初の集団提訴
仙台地裁
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建設現場でアスベスト(石綿)を吸い込み健康被害を受けた東北地方などの元建設労働者や遺族計10人が26日、国と建材メーカー12社を相手に計約2億7000万円の損害賠償を求めて仙台地方裁判所に提訴しました。東北地方での集団訴訟は初めてです。
提訴後の記者会見で小野寺義象(よしかた)弁護団長は「命に関わる危険があるにもかかわらず、国や建材メーカーが経済性を優先させて安全対策を十分に取らなかった責任を追及し、全面救済を勝ち取りたい」と話しました。
原告は、60~70代の内装工や配管工などの元労働者3人と、死亡した4人の遺族7人。宮城県で肺がんを患う元内装工の60代男性は「5分歩くと息切れし、歩けなくなる。国やメーカーは過ちを認め、苦しんでいる人を早く救済してほしい」と語り、悪性胸膜中皮腫で亡くなった岩手県の元配管工の遺族は「夫が亡くなって9年。まじめに働いてきた人が、なんでこんな目に遭わなければならないのか」と訴えました。
建設アスベスト訴訟は、これまで全国7カ所の裁判所でたたかわれ東北は8番目です。