2020年8月24日(月)
「戦争しない国」守りぬく
シベリア抑留犠牲者を追悼
第2次世界大戦の終結後、旧ソ連によってシベリアやモンゴルに不当に抑留され、強制労働などで命を奪われた人たちを追悼する「シベリア・モンゴル抑留犠牲者追悼の集い」が23日、東京都千代田区の国立千鳥ケ淵戦没者墓苑で行われました。シベリア抑留者支援センターが主催し、約100人が参列しました。
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東京・千鳥ケ淵に約100人、小池氏も参列
8月23日は、旧ソ連の指導者だったスターリンが1945年に抑留・強制移送の指令を出した日です。旧日本軍の兵士ら約60万人が捕虜として連行され、過酷な環境のもとで約6万人が死亡したとされています。元抑留者や遺族は、実態調査や遺骨の返還などを求めています。
元抑留者で同センター世話人の新関省二さん(94)は、厚生労働省の調査で発覚した遺骨460人分の取り違えについて「国の誠実さが問われる」と指摘。「収集した遺骨の大半は身元不明で、亡くなった場所さえ分からない方が大勢いる」として、遺骨収集の事業の改善に国をあげて取り組むよう求めました。
父が「戦犯」としてウラジオストクで処刑・埋葬された山形忠顯(ただあき)さん(82)は「抑留犠牲者の裁判記録の入手、遺骨収集、記録の保存は遺族個人の力では到底なしえません。政府の責務としてなされるべきです」と訴えました。
来賓として与野党の国会議員が参列。日本共産党の小池晃書記局長は「スターリンによる国際法違反の強制抑留という戦争犯罪から75年、シベリア特措法が定めた真相解明と遺骨収集という責任を果たすことを国に求めたい」と述べ、政府主催での追悼式典を党派を超えて実現するとともに「戦争しない国」を守りぬく決意を示しました。