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2020年8月22日(土)

育鵬社教科書不採択

愛媛県立中教校の歴史・公民

 愛媛県教育委員会は19日の定例会で、2021年度の県立中等教育学校の前期課程(3年生まで)の歴史教科書に東京書籍、公民教科書に日本文教出版を採択しました。11年から3度にわたり採択してきた、侵略戦争を美化する育鵬社の教科書を不採択としました。

 道徳は引き続き教育出版の教科書を採択しました。

 県教委は01年に、現在の特別支援学校の一部で扶桑社版の歴史教科書を採択。市民や教育関係者から強い批判や抗議が寄せられたものの、その翌年には中高一貫校(現中教校)の中学歴史教科書にも採択。その後も同社の教科書を採択し続け、11年からは育鵬社の歴史と公民の教科書を採択してきました。

 県教組の山本宏充書記長は「これまで繰り返し撤回を求めてきただけに、今回の決定は素直に喜びたい。ただ01年当時、加戸守行知事が『ベスト』と評価した扶桑社版の教科書を特別支援学校に採用したことをはじめ、その後20年近くも、扶桑社や育鵬社の教科書を採択し続けたことの検証を県教委には求めたい」と話しました。

広島県呉市教委も

 広島県呉市教育委員会は21日、2021年度から市立中学校で使用する教科書について、県内で唯一使用してきた、日本の侵略戦争を正当化する育鵬社の歴史・公民の教科書を不採択にしました。同市は11年から過去3回、育鵬社を採択していました。育鵬社から東京書籍に変わります。

 育鵬社の教科書に対しては市民から「侵略戦争を美化する教科書で子どもが学ばないといけないことが残念」だとの声が上がり、市民団体「教科書ネット・呉」は日本国憲法を尊重する教科書を採択することを求める請願や、教員の意見を尊重せよとの要請署名を1318人分提出し、市教委定例会では、その請願が採択されるところまで追い詰めていました。

 同団体は、教科書展示会にも市民に声を掛け合って参加を広げ、はがきを市教委へ送る運動も広げていました。

 採択後、市内の是恒高志さんは「この9年間、教科書展示に足を運んだり、署名したり、市教委にはがきやメール、ファクスを送るなどの活動に参加してくれた1000人を超える市民が実現させた」と喜び、「私たちが求めてきた公正で適正な当たり前の採択が行われた」と話しました。


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