2020年8月16日(日)
円満な解決 日本と協議求む
徴用工めぐり 韓国大統領が光復節演説
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は15日、ソウルで開かれた日本の植民地支配からの解放を記念する「光復節」の式典で演説しました。徴用工問題をめぐり2018年に韓国最高裁が「個人の請求権は消滅していない」として新日鉄住金(現日本製鉄)に賠償を命じた判決に言及し、「政府は被害者が同意できる円満な解決策を日本と協議していきたい」と述べました。
文氏は演説で「最高裁の判決は、韓国の領土内で最高の法的権威と執行力を有する」と指摘。司法の判断を尊重する姿勢を改めて示すとともに、「いまも協議の扉は開いている。いつでも日本政府と向き合う準備ができている」と述べ、話し合いでの解決を呼び掛けました。
さらに「三権分立を基礎にした民主主義、人類の普遍的価値と国際法の原則を守っていくため、日本とともに努力する」と表明。「人権を尊重する日本と韓国、共同の努力が両国国民の友好と未来に向けた協力の橋となるだろう」と述べました。
同裁判をめぐって韓国の裁判所は、原告側の申し立てを受け、被告である日本製鉄の韓国内における資産の差し押さえを命じた書類が今月4日に届いたものとみなし、資産売却の手続きに入る見通しです。日本製鉄は7日、手続きの差し止めを求める「即時抗告」を行っており、「現金化」は年末以降になるとみられます。