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2020年8月15日(土)

イスラエル・UAE国交合意

パレスチナ 離脱を要求

 【カイロ=秋山豊】イスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)の国交正常化合意について、パレスチナのアッバス議長は13日、報道官を通じて「パレスチナ指導部は拒否する」と述べました。

 アブルデイネ報道官は、UAEに対し「恥ずべき」合意から直ちに離脱するよう求め、他のアラブ諸国に、米国の圧力のもと、イスラエルと国交正常化しないよう求めました。

 イスラエルとアラブは、1948年のイスラエルの建国をめぐる戦争から対立を続けてきました。エジプトとヨルダンを除くアラブ諸国はイスラエルとの国交を持っていません。

 アラブ諸国はこれまで、イスラエルが1967年の戦争で占領した地域からの撤退や、東エルサレムを首都とするパレスチナ国家の樹立などと引き換えに、イスラエルと国交を正常化するというのが公の立場でした。

 しかし近年、イスラエルの閣僚がUAEを訪問するなど、変化を見せていました。

 イスラエルのネタニヤフ首相は13日の演説で、「イスラエルとアラブ世界の間に平和の新しい時代を告げる」と今回の合意を称賛しました。

 他方、UAEのアブダビ首長国ムハンマド皇太子は同日、「イスラエルによる併合を止めるため合意に達した」とツイートし正当化。イスラエルと国交のあるエジプトのシシ大統領も「イスラエルによる併合を停止する」として歓迎しました。

 同じく国交のあるヨルダンのサファディ外相は「イスラエルが占領を終わらせる動機として合意に対応すれば地域を公正な平和へと前進させるだろう」と述べ、そうでなければアラブとイスラエルの対立を深め、地域の安全保障を脅かすだけだと警告しました。

 アラブの大国サウジアラビアは13日、今回の合意についてコメントしていません。


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