2020年8月13日(木)
「黒い雨」訴訟控訴 原告側抗議声明
科学的知見 国は理解せず
「全員救済へ たたかいぬく」
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「黒い雨」訴訟原告団・弁護団・「黒い雨」訴訟を支援する会は12日、広島市で記者会見し、控訴申し立てに抗議し、全ての「黒い雨」被爆者が救済されるよう、全力でたたかい抜くことを宣言する声明を発表しました。
声明では、控訴の理由として国が、広島地裁判決には「最高裁判例と異なる見解が含まれていること」「十分な科学的知見に基づいているとはいえない点がある」と述べていることについて、「国の指摘は、科学的知見を理解しない、国(厚生労働省)の独自の見解と言わざるを得ない」と厳しく批判しています。
高野正明原告団長(82)は「私たち84人の原告が証言したことが科学的合理的根拠です。控訴されたことは非常に残念。憤りを感じる」と訴え。
弁護団の廣島敦隆団長は「控訴決定は極めて遺憾。人道的な見地から言っても許されない」と述べ、竹森雅泰事務局長も「国の責任で被爆者を救済するというのが被爆者援護法の趣旨で、それが最高裁判決の判断」だと指摘しました。
会ができた約40年以上前から中心的役割を果たした支援する会の牧野一見共同代表(76)は、厚労省にくり返し、地域拡大などの要求をしてきたが一貫して「黒い雨」被害者の支援に背を向け続けてきたと告発。「広島市も広島県も厚労省について流れたというのは本当に残念。高裁でも勝訴するよう引き続き支援をお願いしたい」と述べました。