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2020年8月7日(金)

原爆投下 必要なかった

米大統領ら 知っていた

米紙に歴史家寄稿

 米紙ロサンゼルス・タイムズは5日、広島、長崎への原爆投下をめぐって、第2次世界大戦終結のために必要だったとする米国での通説に反論し、「米国の指導者たちは原爆を投下する必要はないと知っていた」と述べる歴史家らの寄稿を掲載しました。

 寄稿は、歴史家のガー・アロペロビッツ氏と、ジョージ・メイソン大学のマーティン・シャーウィン教授の共著。全米各地に広がる黒人差別への抗議を念頭に「米国が過去をめぐる多くの痛苦の側面を見直す時、1945年8月に日本の都市への核兵器の使用について、真摯(しんし)な国民的対話を行う時だ」と訴えました。

 日米の歴史資料から、「例え原爆が投下されなくても、日本が1945年8月に降伏していたはず」の圧倒的な歴史的証拠があり、当時のトルーマン大統領および側近たちはそれを知っていたと指摘。米国の陸・海軍に当時いた8人の最高幹部のうち7人が、「原爆は軍事的にも必要なく、人道的にも非難されるべき」と発言し記録されていると述べました。

 ドイツ・ポツダムでの会談(7月)時点でアイゼンハワー連合国軍最高司令官(後の米大統領)は「日本は降伏の用意ができており、おぞましいものでたたく必要はない」と発言し、マッカーサー元帥も「(原爆投下は)もってのほか」だと述べていたことなどが記されています。

 寄稿文は、米科学誌が発表してきた「終末時計」が現在、1947年以来、最短となっていることに触れ、「同時計を進めることは、核時代の暴力的な始まりが過去のものではないことを思い起こさせている」と締めくくっています。


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