2020年8月2日(日)
「攻めの検査を」
無症状でも 網羅的に
経済団体・自治体・メディアに広がる 拡充求める声
新型コロナウイルス感染者急増のなかで、日本共産党の志位和夫委員長は7月28日、感染の急拡大を防止するために、PCR検査を大規模に網羅的に行うよう安倍晋三首相に申し入れました。これと前後して、経済団体や自治体、メディアなどから感染拡大抑止のためにPCR検査の拡充を求める声や検査の重要性を指摘する声が相次いでいます。
日本商工会議所と東京商工会議所は7月28日、PCR検査体制の拡充を求める要望書をまとめました。要望書では感染拡大による中小企業への影響に懸念を示し「社会経済の活動レベルを落とさないようにするためには、今や社会経済活動維持の基礎的インフラである検査体制の拡充と医療提供体制の安定が急がれます」と指摘。政府に対して感染動向を素早く把握する検査体制の拡充を求めています。無症状でも感染リスクの高い場所にいる人などを徹底的に検査する「攻めの検査」は、感染者の早期発見や重症者数の抑制に大きな効果が期待できると述べています。
千葉県では7月30日に、木更津、君津、富津、袖ケ浦の4市長が連名で森田健作知事に対し、PCR検査センター設置に向けた支援などを要望。同日には、銚子、旭、匝瑳(そうさ)、香取の4市長と神崎、東庄、多古の3町長が合同で森田知事と会談し、検査センターが必要だと求めたことが報じられています。
東京都の小池百合子知事もPCR検査体制強化の重要性を強調しています。「『感染拡大特別警報』の状況」と述べた同日の会見では「今、われわれが採りうる唯一の策は、積極的に検査をやって、そして陽性患者を早期に発見し、感染拡大を抑制していくということ」だと語りました。
東京都医師会も同日の会見で、感染震源地(エピセンター)での徹底した対応を訴え、都内の医療機関1400カ所を目標にPCR検査を拡大すると表明しています。
メディアでは、PCR検査拡充の遅れを問題視し、早急な検査体制構築と積極的な検査を求める論調が目立っています。
「日経」は1日付3面で「PCR目詰まり再び」との見出しで、春の感染拡大時と同様に検査がスムーズに進まない状況を特集。同日付社説で「政府や自治体が結果的に『宿題』をさぼってきた責任は重い」「簡便なPCR検査や、抗原検査の普及を急ぎたい」と指摘しています。
同日付「読売」社説も「PCR検査 拡充が感染抑止につながる」との見出しを掲げ、感染者が集中する地域で「攻めの検査」を実施して感染者を早期に隔離すれば「感染の連鎖」を断ち切れるとしています。