2020年7月26日(日)
優生思想的主張繰り返す
ALS嘱託殺人容疑者 「長生きしても…」
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筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の嘱託殺人事件で、逮捕された医師の大久保愉一(よしかず)容疑者(42)は、ネット上で優生思想的な主張を繰り返していました。
大久保容疑者と同じく医師の山本直樹容疑者(43)は、共著とみられる『扱いに困った高齢者を「枯らす」技術』を電子書籍で発売しています。著者には両容疑者とみられる名前やハンドルネームがつけられています。
書籍の説明には「認知症で家族を長年泣かせてきた老人(中略)そんな『今すぐ死んでほしい』といわれる老人を、証拠も残さず(中略)消せる方法がある。医療に紛れて人を死なせることだ」とあります。
優生思想とは、能力や遺伝子の「優良な者」を保護し、「不良な者」を排除するという思想のことです。大久保容疑者のものとみられるツイッターでは、認知症の高齢者などを排除すべきという言動が繰り返されています。
「コロナで介護が滅んで老人が死屍累々(ししるいるい)になっても、別に驚かない。若い人の負担が減ればよいではないか」「長生きしてもいいことなんかあんのかよ。耐用年数を超えてボケた脳みそとあちこち痛いだけの体(中略)テレビで安倍の悪口いうぐらいの毎日。『お迎え来ないかな』なんて受け身でいいのか」
また前出の電子書籍と題名がほぼ同じブログでは、「(高齢者が)見るからにゾンビとなって生きているので痛々しい」と記述。ブログには「日本でもできる『安楽死』『尊厳死』について、医者として質問に答えます」とも記していました。
精神科医の香山リカさんはツイートで、「(容疑者の医師は)経済最優先の価値観に従って、非常に安易に嘱託殺人を実行しています。政治にはまず、障害や病がある方が自らを“お荷物”と感じなくてもよい社会づくりを目指していただきたいです。医療従事者としてお願いします」と述べています。