2020年7月22日(水)
黒川前検事長不起訴おかしい
市民 検審に申し立て
賭けマージャンを日常的に繰り返した常習賭博罪で東京地方検察庁に刑事告発された東京高等検察庁の黒川弘務前検事長が不起訴となった処分を不服として21日、市民団体が東京検察審査会に審査を申し立てました。
審査を申し立てたのは「安倍首相による検察支配を許さない実行委員会」の126人です。同実行委員会の藤田高景代表は、黒川氏を検事総長にすえ検察庁を支配下に置こうとした検察庁法改定案に検事総長経験者をはじめ全国の市民や芸能界関係者が反対したと指摘。緊急事態宣言中に何度も行われた黒川氏の常習賭博に対し、「身内に甘い処分は国民を裏切る行為であり、起訴すべきです」と話しました。
一橋大学名誉教授の田中宏さんは検事から田中さんあてに書留で送られてきた通知書には「不起訴」と書かれているだけで、不起訴と決めた理由は記載がなかったといいます。「庶民が理由を知る唯一の方法は審査会に申し立て、判断を仰ぐこと」と話しました。
代理人の大口昭彦弁護士は報道された「すでに社会的制裁を受けている」という不起訴の理由に、東京高等検察庁の冊子をもとに反論。「東京高等検察庁非違行為等防止対策地域委員会」の冊子には、賭博は減給または戒告、常習賭博は停職相当とされています。社会的責任にふさわしい刑事処分や懲戒処分がなされなければ、一般の公務員との公平性を欠くと指摘しました。
東京造形大学教授の前田朗さんは、国連の人権機関で日本の司法は「中世のようだ」といわれると紹介。「検察の歴史は誤判とえん罪、証拠の改ざん、拷問の歴史だった。これに賭けマージャンが付け加わった」と指摘し、「襟を正すために、きちんと処分をしてほしい」と述べました。