2020年7月20日(月)
学生給付金保留11.5万人
1次分 学校推薦枠が不足
新型コロナウイルスの影響で生活が困窮した学生に国が1人10万円(住民税非課税世帯20万円)を支給する学生支援緊急給付金の1次推薦で、要件を満たしているのに推薦されず保留とされた学生が全国で11万5千人いることが分かりました。日本共産党の畑野君枝衆院議員に文部科学省が答えました。
給付金は、コロナで世帯収入やアルバイト収入が激減した学生を支援するもの。国が学校ごとの推薦枠を決め、申請した学生のなかから各校が推薦者を選ぶ仕組みです。予算規模は約43万人分。1次ではそのうち30万人分の給付を想定していましたが、実際の給付は24万人にとどまりました。
給付数が想定を大幅に下回ったのは、周知不足などで推薦枠が余った学校があったためです。その一方で、保留とされた学生が大量に生まれたのは、推薦枠を大きく上回る申請があった学校が相当数あったことを示しています。全学生を一律で救済する制度とせず運用を各学校に丸投げしたことで、学校間のばらつきが極端に大きくなっています。
文科省は、保留とされた学生を2次推薦(31日締め切り)で優先的に扱うとしています。しかし、その場合は、2次の推薦枠が13万人分しかないため、1次で保留となった学生だけで枠の9割が埋まることになります(1次で残った推薦枠はもともと割り当てられた学校の持ち分)。
1次申請に間に合わなかった学生や、1次締め切り後に家計が急変した学生も少なくありません。推薦枠自体を抜本的に増やさなければ、2次の新規申請者の多くが、要件を満たしても給付から漏れる恐れがあります。