2020年7月18日(土)
地下水 300メートル低下
JR東海 リニア影響予測
静岡工区会議
リニア中央新幹線静岡工区の工事に伴う大井川の流量減少などを議論する国の有識者会議の第4回会合が16日、国土交通省内とウェブ上で開かれました。JR東海は、大井川上流部に掘削するトンネル周辺で、掘削完了から20年後に渇水期の沢の流量が最大で7割程度減少するとの予測結果を示しました。
JR東海は、トンネル周辺では掘削完了20年後に地下水位が300メートル以上低下するとの予測も示しました。
委員から、「沢が枯れるかもしれない」との声が出ました。オブザーバー参加した静岡県の難波喬司副知事は会議後の記者会見で「地下水位が300メートル下がるというのはとんでもない。生態系への影響は厳しい。南アルプスの自然環境が大変なことになる」と述べました。
一方でJR東海は、地下水位の低下はトンネル周辺にとどまり、中・下流域の水利用には影響しないと説明。委員からは、中・下流域の地下水への影響は「コントロールできるのでは」との声が出る一方、「影響が出ないというのであれば、根拠を示してほしい」との意見もありました。
JR東海は有識者会議などでの議論が終わるまでトンネル掘削工事に着手しないとしています。静岡県は、トンネル坑口整備などの準備工事も本体工事と一体として認めておらず、JR東海はこのことを理由に2027年開業が難しいとしています。