2020年7月12日(日)
雨、片付け阻む
熊本・球磨村の被害
九州南部を襲った豪雨から11日で1週間がたちました。死者23人、行方不明者1人という大きな被害があった熊本県球磨(くま)村(人口3510人)では11日も雨が降り、復旧が進まない状況です。(武田祐一)
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盆地の人吉市から球磨村に入ると、険しい山間地に囲まれます。球磨川の川幅は狭まり、急流になります。夜半から断続的に激しい雨が降り、球磨川が増水したため住民に避難指示が出ました。個人的に片付けの手伝いに来た人たちも、ほぼ午前中で作業をやめました。
同村渡地区で親せき宅の片付けをしていた男性(67)は「家の中の家財は泥だらけで大変です。球磨村はまだごみを捨てる場所が確保できていないので、とりあえず外に置いておくしかありません。義妹が看護師で休めないので代わりにやっています」と話します。「近所の人たちはみんな『水の出るとが、おそろしか』と避難所にいきました」
球磨川と並行してはしる国道219号とJR肥薩線は、川岸の崩落やがけ崩れで不通になっています。道路は片側通行の箇所も多数あり、危険な状態です。
村内は約480戸が停電。水道もほとんどの地域で断水しています。JR渡駅前には同県益城町の給水車がありました。同町職の男性(29)は「給水車は熊本地震後に町が導入しました。震災のときは周辺自治体の人にお世話になったので、恩返しができたらと」。
川沿いの家では、川からポンプで水をくみ上げ泥を流している人がいました。人吉市から来た建築業の男性(72)は「この家は3階まで水が来ました。病気で入院している友人の代わりにバイク仲間で片付けています」と話し、昼すぎに引きあげました。