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2020年7月8日(水)

令状なし捜査可能に

香港 国家安全委制定の細則発効

 【北京=釘丸晶】人権抑圧を強める「香港国家安全維持法」に基づき、捜査手続きに関する執行の細則が7日、発効しました。6日に開かれた香港の「国家安全維持委員会」の初会合で制定された同細則は、緊急事態など特殊な状況下で令状なしの捜査を可能にするなど警察の権限を大幅に拡大するもので、民主派は「香港は全面的な独裁になった」と強く批判しています。

 細則ではこのほか、インターネット上で国家安全に危害を加える恐れのある情報の削除やアクセス制限、資産の凍結・制限・没収、行政長官の承認で通信傍受や監視が可能となる内容が盛り込まれました。また、警察が台湾を含む海外の政治組織に対し、香港での活動や個人資料、資産、収入などの資料提供を求めることも認めました。細則に従わなければ最大で禁錮2年、10万香港ドル(約140万円)の罰金が科されます。

 民主派政党・民主党の立法会(議会)議員・涂謹申(と・きんしん)氏は7日、行政長官の承認で通信傍受や監視が可能とされたことについて香港メディアで、「独立した第三者の監督もない。香港はすでに全面的な独裁、専制に変わってしまった」と批判しました。

 一方、フェイスブックやグーグル、ツイッターなどの米IT企業のSNSサイトは6日、香港政府および警察への利用者情報の提供を一時停止すると発表。フェイスブックは「言論の自由は基本的人権であると信じる。すべての人が自身の安全を心配せず、考えを表明することを支持する」と表明しました。

 政府への抗議行動参加者の多くが利用するSNS「テレグラム」の報道官は「現在の状況下で香港の利用者のプライバシーを保護する重要性は理解している」と述べました。


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