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2020年7月3日(金)

主張

東京都知事選

医療・福祉に手厚い都政今こそ

 5日投票の東京都知事選は、新型コロナウイルス危機から都民を守り抜く都政を実現できるかどうかがいよいよ重大な争点となっています。都内の感染者数の増加が続く深刻な状況の中、対応は万全なのかと小池百合子知事の姿勢に不安が広がっています。警戒呼びかけなどの目安となる数値をなくしたことに批判が相次いでいます。このまま小池知事にコロナ対策を任せるわけにはいきません。パフォーマンスでなく、都民の困難に真剣に向き合うコロナ対策を掲げる野党統一候補、宇都宮けんじ氏(日本弁護士連合会元会長)の勝利で都政を転換する時です。

パフォーマンスでなく

 都内の1日あたりのコロナ感染者が100人を超えたことは、小池都政のコロナ対策が根本から問われる事態です。小池知事は2日、記者会見で「要警戒」と述べ、「夜の街」への外出を控えることなどを呼びかけましたが、後手後手に回っていないのか。全国から、東京の感染状況に警戒の目が向けられている中で、都の姿勢に対する都民の不安は募ります。

 小池知事が6月30日にコロナ感染への警戒を発する目安の数値を撤廃したことは大問題です。1週間平均の新規陽性者数は1日20人以上などの項目を設け、それらを超えれば「東京アラート」を発令し注意を促すとしてきたこれまでの方針をやめたのです。今後は、陽性者数などで数値的な基準を設けず、「モニタリング会議」で「総合判断」するというのです。事実上、科学的判断の基準を放棄したもので、あまりにも不透明です。知事の思惑で感染症対策が左右される危険が一層強まります。

 東京五輪延期決定までコロナ対策をまともに行わなかったことに示されるように、小池知事は、自らの政治的思惑を感染症対策に優先してきました。これでは都民の信頼は得られず、まともな感染症対策ができるはずがありません。「アラート解除」の際、「自粛から自衛」と都民に自己責任を求めた冷たい知事の下では、都民の暮らしも営業も守れません。

 宇都宮氏は、都民に向き合わない小池知事のコロナ対策を根本から転換することを訴えます。PCR検査の抜本的拡充をはじめ先手を打った感染症対策を明確にしています。暮らしと営業が立ち行かなくなる人たちに徹底的な補償を行うことを掲げています。財源は、不要不急の道路建設のような巨大公共事業を見直し1兆円を生み出すことなどを提起しています。

 コロナ危機の中で献身的に奮闘してきた都立・公社病院を「経済効率優先」の民営化に近づける独立行政法人化は、都民の願いに逆らいます。独法化を中止させ、都立・公社病院をこれまで以上に充実させることが必要です。感染症対策の要である保健所の増設、職員増員も急務です。宇都宮氏の勝利こそ、医療・検査・福祉に手厚い都政を実現する力です。

広がる市民と野党の共闘

 宇都宮氏勝利へ向け市民と野党の共闘は広がっています。日本共産党、立憲民主党、社民党、新社会党、緑の党の支援のほか、自主投票の国民民主党からも幹部が次々応援に駆けつけています。

 都民の苦難に寄り添う人権弁護士の宇都宮氏の勝利で、人権と尊厳が大切にされ、ささえあう社会を東京からつくりましょう。


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